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<木になる芽その2>自治体と事業者による低額バス運行取組の話題

 最近、低額バスの記事を目にすることが多いように思う。以下に列挙してみる。

 

 〇国際興業、飯能駅周辺のバスを100円均一に - 実証実験を1年間にわたり実施 (5月16日より1年間、実証実験)

 

 〇低額バス利用者1.5倍/宮津、伊根、与謝野(低額バスは3市町に先立ち、京丹後市が2006年10月に「上限200円」で導入。利用者は導入前の17万人から、 昨年度は38万人と2・2倍に伸び、収入も1・25倍になっている。)

 

  〇運賃上限200円「理想のバス」 国際学会が京丹後市と丹後海陸交通を表彰

 (「200円バス」は過疎地域の住民のニーズや、観光客にゆったり丹後地方をめぐってもらう目的で平成18年に導入。昨秋には宮津市と伊根、与謝野町にも営業路線を拡大した。)

 

 (追加情報)京丹後市の上限200円バスのその後(2019/06/23 東洋経済より)  

 

 👉京丹後市「上限200円運賃」は地方交通の革命か 補助金をうまく使えば利用拡大が期待できる~まず実証実験を翌年から4年間行い、2010年から本格実施とした。2013年からは隣接する宮津市・与謝野町・伊根町の丹後地域の2市2町全域で、自治体内ごと上限200円としている。実証実験が始まった年度から、利用者数の減少が止まり反転しはじめた。利用者の6割は高校生で、それまではマイカー送迎のほか自転車、原付バイクなどで通学していた。200円なら定期券代が出せると判断した家庭が多かったようだ。200円で通学できるので遠くの高校を選べるようになったという声もあった。京丹後市では以前から、多くの地方のバスと同じように、丹海バスに補助金を出しているが、実証実験前と比べると2018年度の利用者数は約2.7倍にも増大しており、補助金額はほとんど変わらない。利用者増加に伴い、バス停新設や路線拡充も行うことができた。これも利用者増の要因になった。…こうした状況に影響を受けたのだろう、市内を走る唯一の鉄道である北近畿タンゴ鉄道でも上限200円運賃を導入した。…バスと違うのは65歳以上の高齢者限定であることで、市の援助を受け、2011年に土日祝日の実証実験を開始し、翌年平日に拡大。2013年には丹後全域で本格適用をスタートしている。利用に際しては、パンフレットから切り取った200円レール切符と運転免許証、健康保険証などの身分証明書が必要となる。…これ以外にも京丹後市には革新的な交通サービスがある。例えばタクシーが撤退した旧網野・久美浜町には2015年から、電気自動車関連の補助金制度を活用した「EV乗合タクシー」が走っている。タクシーと銘打ちながら移動のみならず、小荷物輸送、買い物代行、見守り代行、図書館代行、病院予約代行も行っており、全国初の事例となった。…ただし課題がないわけではない。いまや東京23区でも露呈しているバスの運転士不足はこの地域も同様であり、2018年11月には丹海バスが、宮津市内の6路線の維持が困難という方針を示した。路線廃止や減便が現実となれば、利用者離れにつながる可能性もある。…多くの交通には補助金が使われているが、筆者も何度か報告してきたように、欧米の都市交通は税金や補助金主体での運営が一般的だ。京丹後市も補助金をうまく活用したからこそ次々に改革を打ち出せたわけで、運賃収入だけを取り上げて黒字赤字と騒ぐのは、そろそろ幕引きにしてもらいたいものである。

 

  国際興業の100円均一バスのニュースは、記事だけ読むと事業者による単独の社会実験の取組のようにもとれる。事実、私はそう思っていた。しかし、よくよく調べて見ると、国際興業は、2年前の平成24年6月に飯能市に対して、飯能営業所の全面撤退を検討しているとの申し入れを行っている。それは、長年にわたり、経費削減等の努力をしてきたが、少子高齢化や人口減少による利用者の減少等々の事由により、もはやその努力も限界に来ており、飯能営業所の管轄する全路線を廃止することを検討するとの通告だった。

 

    他事業者への事業後継も模索されたが、種々の理由から見送られた。赤字路線の補填やスクールバス運行に関する検討を条件に現在も路線は継続されている。飯能市のホームページに『国際興業バスで「飯能ワンコインゾーン」を実証実験します。』と掲載されていることから、京丹後市のような低額バスによる利用者増加の模索が行われていると考えられる。

 

   要は、単なる現状維持のための赤字補填は、今後とも市の負担が増加するだけの問題先送りにしかならないとの思いが行政側にあるのだろう。運賃を下げ、市民のニーズの高い生活利便施設への停車で利用シーンを増やし、利用頻度を増やそうという試みだと思う。人口が少なくなっているのだから、利用頻度を上げて稼ぐということ、飲食店で言えば、価格を下げると同時に回転率上げる工夫(サービス)を取り入れることだと思う。いずれにせよ、そこには事業者と市民との共存共栄という価値観の共有が不可欠だろう。

 

   一方で、仙台市の来年開業予定の市営地下鉄「東西線」(総事業費2,298億円)をめぐり、この地下鉄が負の遺産にならないよう、バス事業の再編を行うという。これは、現在、運行している市営地下鉄「南北線」の累積赤字問題(2012年度末で976億円)を念頭に置いた対策のようだ。同じ徹は踏みたくないということだろう。それなら地下鉄の建設を中止するか、事業規模の縮小という方策もあったはずだ。

 

   これは、既に過去の市長選挙で争われたようだ。反対派と再検討派の候補(5人)に票を投じた市民が多かったが、票を1本化した推進派が勝利し、その後は、道路を渡りだした猫と同じで後戻りできないまま、来年、東西線が開業する予定だ。東西線については、裁判にもなり、過大な需要予測が争点となり、裁判で原告の主張が認められたが、結局、原告は二審で敗訴した。

 

   バス路線の再編により、一部の路線が廃止される一方、地下鉄の駅を結ぶ路線が新設されるという。仙台市の地下鉄対策は、公共交通機関が誰のためのものなのかという視点が抜けているように思うのだが。私の予想では東西線もいずれ累積赤字が問題になる日も遠くないように思う。

 

   少子高齢化、人口減という問題についてきちんと対策が練られているのだろうか。負の遺産にしないためのバス路線の再編について事業者と市民の共存共栄という基盤が整備されぬまま事業者本位の理論だけが先行しているように思う。東電と同じ論理が背後にあるように思う。驕るなかれ寡占事業者よとの思いを抱く利用者が沢山いることを忘れないで欲しい。

 

  〇過疎地域の公共交通の「復権」チャレンジ(京丹後市)

(注意!)PDFのファイルサイズ(5.41MB)が大きいため、ダウンロードに時間がかかります。しかし、読む価値のある資料だと思います。 



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京丹後市と丹後海陸交通(株)が「上限200円バス」で「国際交通安全学会賞(業績部門)」を受賞
「現状に即した合理的な地域公共交通の再生」~京丹後市における行政と事業者との協働による上限200円バス等の取り組み
「上限200円バス」で「国際交通安全学会賞」を受賞.pdf
PDFファイル 776.8 KB
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