
(2025/08/30更新)
最近、恐ろしいことに気が付いた。2023年度の還付金の還付申告&処理額は7.3兆円だが、還付金支払決定済額は11.3兆円もある。この差は還付金の支払いが翌年度にずれているためだと思うが、還付金支払決定済額は還付金の支払予算ということになる。
2025年度の防衛費予算が9.9兆円だから還付金の支払予算が防衛予算より多いというとんでもないことになっている。自民党にとっては防衛費より還付金の支払いが優先されているのだろう。防衛費の増額については財源問題をどうするかということが度々メディアで報じられて来たが、還付金を止めて防衛費に充当すればお釣りが出ることになる。消費税を社会保障費の安定財源と主張しながら一般財源に計上しているのだから防衛費に充当してもバカな国民にはわからないだろう。
還付金は防衛費より大切な自民党の生命線なのだろう。どうして右派の人々はこの点を追求しないのだろうか。彼らにとって国防は生命線のはずだ。
消費税の基になった付加価値税は輸出企業の救済のために作られた税制だから国は素直に消費税は輸出還付金の安定財源だと認めたらどうだろうか。残りの財源はトランプ関税対策や防衛費に充当する予定だと宣言したらどうだろうか。
国民があれだけ反対しても安保法制や健康保険証の廃止を強行したのだから居直るのは簡単なことのように思える。
👉防衛関連予算、GDP比1.8%に上昇 2025年度~25年度の防衛費と関連する経費は総額9兆9千億円だった。防衛省単体の25年度の当初予算は8兆5千億円(米軍再編経費など除く)ほどで、およそ1兆5千億円が他府省の予算となる。…防衛費を積み増すための財源の確保は道半ばだ。与党は25年度の税制改正大綱で、財源に組み込んだ法人税とたばこ税の増税時期を26年4月と決めた。一方、所得税の増税時期は未定のまま先送りとなっている。(2025/04/15 日本経済新聞)
2023年度の消費税の徴収決定額30兆円に対して還付金支払決定済額11.3兆円は4割(37.7%)近い金額だ。財務省の公表している2025年度の一般会計予算77.8兆円のうち消費税の税収は24.9兆円が計上されているが、これは還付金を控除した後の収納予算額だ。2025年度の消費税の徴収予定額は32兆円程度だろうか。還付金の支払い予算額は12兆円程度だろうか。
還付金の控除は財務省にとっては単なる事務処理にすぎないのだろう。税収の4割近い金額が失われることに問題意識を持っていないのだろう。税収が足りなければ、消費税をまた上げればいいくらいにしか思っていないのだろう。
財務省の仕事は税金を徴収し予算配分するだけで予算を獲得した省庁は予算を残さずに使い切ることが使命だ。彼らにとって税収はいつだって予算にすぎない。国民の生活に思い至らない自分本位の人々だ。だから国民も彼らの処遇に配慮する必要はないのかもしれない。
官庁は統廃合されても彼らの職は保証されているから頑張って働いているのにという同情はいらない。不祥事を起こした官僚もいつの間にか別のポストに就いていたり、天下りして高給を食んでいる。非正規の職員だけがいつも切り捨てられるのがこの国だ。身内を守ることで組織を維持しているようにしか見えない。
消費税の使途を財務省は公表しているが、消費税は一般会計の税収にすぎないから単なる説明のための説明にすぎない。社会保障4経費の財源を所得税と法人税に置き換えても説明できる。その場合、足りない財源は減税し続けてきた法人税と高額所得者の所得税の増税で十分賄える。あるいは消費税の還付金を廃止して充当してもお釣りが出る。消費税は結局、一般会計の安定財源にすぎない。
官僚と政治家の詭弁にはもううんざりしている。国民の生活のために頑張っている官僚や政治家なんかいない。そうしたことに目をつぶって平気でうそをつくような学者や評論家を信用するのはやめるべきだ。国民はもっと賢くなれる。