(2020/09/08 更新)
昨日、毎日新聞の記事を読んでがっかりした。参院選比例代表で当選した須藤氏が都知事選に出馬したれいわ新選組の山本太郎氏の応援演説を行ったことで立憲民主が彼を非難している。しかし、昨年の参院選で山本氏は立憲民主の候補者2名の応援に入っている。
消費税廃止を軸にした野党共闘を山本氏は立憲民主を始めとした野党にこれまで呼びかけてきた。しかし、大企業の労組が作る連合等とのしがらみから立憲民主や国民民主には消費税廃止を軸にした共闘は飲めないし、れいわ新選組の台頭で支持者を奪われたくないという思いがあるのだろう。心の狭い人たちだ。
★立・国迷走、いらだつ連合 仲介努力も決め手欠き~これに先立ち、連合は両党政調会長との政策協議も始めた。だが、新党名やその決め方で両党の交渉はもめ、憲法改正や消費税減税に関する立場の違いも難航要因に加わった。…昨年の参院選で連合は傘下労組の「股裂き」に苦しみ、国民民主から立てた組織内候補5人のうち2人が落選する憂き目に遭った。先の見通せない現状に、幹部は「お盆を過ぎたら合流話は下火になる」と焦りの色を浮かべた。(2020/8/9 時事通信)
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★合流参加、労組議員が苦慮「原発ゼロ」踏み絵―国民~立憲民主党との合流をめぐり、国民民主党の六つの産別労組系議員が苦慮している。…6産別は電力総連や電機連合、自動車総連など。労使協調の「現実路線」を取ってきた旧同盟系が中心だ。安倍政権がこの勢力との連携に期待を寄せてきた経緯もある。新党の綱領案に「一日も早い原発ゼロ社会の実現」が明記されたことに対し、原発を容認してきた電力総連の出身議員を中心に産別系が反発。足並みをそろえて行動することを申し合わせ、綱領の修正を訴えてきた。これに対し、立憲は綱領の修正を拒否。党内最大のリベラル勢力の関係者は「うちは原発ゼロと憲法で旗を立てた。綱領は譲らない」と断言する。
(2020/8/27 時事通信)
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★6産別9候補は野党の恥だ/政界地獄耳~野党関係者が言う。「この9人の組織内候補は玉木新党にはいかない。まず強引に合流させようとした神津と同事務局長・相原康伸が頭を下げて『頼むから合流してくれ』と言ってくるまで待つつもりらしい。ちなみに相原の出身は自動車総連。6産別の1つだ。6産別は神津と相原の更迭が念頭にあるようだが、連合の分裂、解体までは望んでいないという。そして9人は1カ月ぐらい遅れて合流新党に入ってくると聞いている」。とんでもない皮算用があるようだ。…そもそも神津、相原も6産別出身ではないか。(2020/09/07 日刊スポーツ)
前回の都知事選で自民党都連が出したお触れを思い出した。やっていることは自民党と変わらない。
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消費税廃止に賛成の多くの無党派の国民は政党にこだわっていない。自民党内部には選挙対策として消費税廃止の声があるものの党として消費税廃止を打ち出すことはないと思われるので立憲民主と国民民主は安心してれいわ新選組の山本氏の主張をつぶしにかかっているのだろう。
もし、自民党政権が消費税廃止を主張して解散選挙を行ったら、立憲民主はどのように対応するのだろうか。そのときになって同じように立憲民主が消費税廃止を言い出しても国民は信用しないだろう。
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消費税廃止やセーフティーネットの構築を期待する国民には今回のような立憲民主の行動を見ると彼らが妨害者のように映る。政策の中身があまり変わらない政権交代に誰が期待するだろうか。消費税は変えられない、憲法改正の議論も必要だというなら政権交代を果たしても国民の失望だけが深刻になるだけだ。
今の政党が国民の幸福など考えていないのは明らかだ。選挙で勝ったら自分たちの思い通りの政策を遂行する政治家なんか信用できない。民主党政権も政権交代したときに陳情政治で自治体をコントロールしようとしたことを思い出す。選挙に勝ったら、政党の維持が政治の目的になるという歴史の繰り返しだった
私は前回の参院選では小選挙区で立憲民主に投票し、比例代表でれいわ新選組に投票した。なぜなら、れいわ新選組の小選挙区の候補がいなかったからだ。
☆須藤元気氏、山本太郎氏の応援演説「ロスジェネが共通項」立憲は除籍処分も~須藤氏も覚悟を決めた山本氏支援だったとみられるが、20日の演説後は「議員辞職すべきだとの声もあるが」と問う毎日新聞の取材に無言で演説会場を立ち去った。(2020/6/21 毎日)
比例で当選した議員は党の決定した方針に従うべきだというのが毎日新聞の記者の考えなのだろう。消費税廃止についても現実的でないという記者の先入観を感じてしまう。
比例で政党名を書いた無党派の国民は、与党と野党のどちらがましだろうかという選択をしたにすぎず、投票した政党にすべてを白紙委任しているわけではない。しかも、参議院は非拘束名簿式比例代表制で実施されており、当選者は個人名の得票数が多い順に決まるという点を考慮すると必ずしも政党の力だけで当選したとは言えないと思う。
参議院は良識の府と言われているのだから、議員は最終的には自己の信念に基づいて行動し、判断するべきだろうと思う。現在の自民党は国民の7~8割が反対する法案でも平気で議員全員で賛成する全体主義に支配されている。国会議員は政党に雇われているわけではないはず。不祥事のたびに国会議員個人が説明責任を果たすべきだと言い逃れしているのはどこの誰だっただろうか。
まして今回は地方選挙でどの候補を支援するかという国会議員本来の仕事ではない問題だ。須藤議員が今後、国会で与党のおかしな法案に賛成する可能性は低い。法律違反や不倫でも犯しているかのように須藤議員を追及する権利が新聞記者にあるのだろうか。同調圧にすぎない正義を振りかざす大手新聞社の記事はいつまで経っても本来の調査報道のレベルに届かないのだろう。
石破氏も進次郎もよく党が決めたことに従うのは当然だと口にするが、本当にそうだろうか。国会議員はサラリーマンではないはずだ。サラリーマンは自分が勤める会社から給料をもらっているので会社の決定に異を唱えにくい。
しかし、国会議員は党の公認で当選したとしてしても議員報酬は税金から出ているので離党してもすぐには生活に困ることはない。国会議員はいとも簡単に国民のためにと口にするが、国民のために働いている国会議員がどれだけいるだろうか。結局、何をするにも寄らば大樹の陰という習性が染みついていて党の方針に不満でも従うということなのだろう。こういうのを潔いとは言わない。
民間の企業に勤めたこともない進次郎が民間企業の競争社会をなぞらえて自己責任を国民に求める姿勢には共感できない。小学校から大学までエスカレーターで父親の地盤を引き継いで国会議員になった人間に民間企業の厳しい競争社会を語る資格はないように思う。
今の国会議員は組織にしがみつくサラリーマンと変わらないように思う。組織の中にいれば、選挙に必要な金も人も手に入り、与党なら大して能力がなくても大臣のイスが回ってくる可能性がある。皮肉なことに誰よりも“大企業”自民党の存続を望んでいるのがサラリーマン進次郎のように思える。
小池都知事と前原前民主党代表に排除されて生まれた立憲民主が排除側の分裂で生まれた国民民主との合流を模索するとは誰が予想しただろうか。そして、前原氏が維新にすり寄る姿にうんざりしている国民は多いはずだ。数の論理を捨てたはずの枝野氏はどこに行ったのだろうか。
👉「上の人たちは引退してもらいたい」須藤元気氏から引退勧告……前原誠司氏と枝野幸男氏は“オワコン”か
彼らは現実的という大人の選択を是としているのだろう。しかし、消費税導入後の日本の経済低迷と国民の経済的な困窮の拡大は消費税と無関係ではないはずだ。市場経済主義とグローバル化で突き進んで来た結果が現在の社会の現実だ。
現実的な選択というウソがなんの成果もないどころか、社会崩壊につながっているのではないだろか。自民党をぶっ壊すと小泉元首相は叫んだが、壊れたのは自民党のモラルで本当に破壊されたのは日本の社会なのではないだろうか。
消費税を廃止することこそ日本の自律的な経済再生につながると思う。中小企業の資金繰りとコスト競争力を高めるには消費税を廃止する以外に手はない。大病院の経営改善にも役立つはずだ。
大企業優遇政策、学歴偏重社会、グローバル化は国力の低下を招くことを韓国が証明しているように思う。韓国はコンピューターと通信の活用も日本より格段に進んでいるが、経済格差も深刻な程拡大し、国民の生活はますます苦しくなっている。貧困率も圧倒的に高い。
韓国ではたとえ大企業に入社できたとしても老後の生活は保障されていない。早期リタイアに追い込まれて自営業で身を立てようとする国民が多いとも聞く。韓国もアメリカもIT技術の進歩が必ずしも国民の幸せにつながっていない。
それはセーフティーネットが不十分だからだと思う。経済格差による社会の不平不満が負のエネルギーとなって拡大しているように思う。
インフラを最大限活用しているのは大企業なのに社会的責任を逃れようとしているのも彼らだ。今回のコロナ禍でも自らの技術や資金を積極的に社会に提供しようとした大企業がどれだけあるだろうか。
東北大震災でも法人復興税の負担が前倒しで廃止されたときに異論を唱えた大企業は皆無だったと思う。膨れ上がる内部留保を批判されても集中と選択の論理で海外でのM&A投資につぎ込んだ挙句、莫大な損失を出しても誰も責任を取らない。
国民は10年近くたった今でも毎年、復興税を徴収され、消費税増税を強いられている。本当の税金泥棒は輸出戻し税で消費税の還付まで受けている。そして、もっと消費税を上げて法人税を下げろと経団連は主張している。なぜ、国民は黙っているのだろうか。
安倍政権下で大企業も官庁もどんどん劣化している。人事権と利益誘導というニンジンの前に目先のことしか、自分たちのことだけしか考えない国民がどんどん増えているように思う。
努力しなくても円安と株高、そして法人税減税で利益が出るから大企業の経営者は目先の配当のことだけしか考えなくなってしまった。
セーフティーネットの改善は企業にとってもプラスのはずだ。コロナ禍や災害で従業員の生活を国や自治体が支える体制ができていれば、企業は安定した経営を続けることが可能なはずだ。そして長期的な視点に立った経営計画の下に競争だけではなく、企業間の協力もこれからは積極的に行うことが大切だと思う。
今回の都議選は新しいセーフティーネット作りの戦いとしての意味があると思う。仮に山本氏が勝てば、彼の性格からして宇都宮氏を副知事に迎えて都政を共同運営していく方法も考えられる。
しかし、宇都宮氏が都知事になった場合は野党共闘で旗を振った外野が都政運営に口を出してくる可能性がある。
👉宇都宮・小池・山本……。都知事選3候補と直接会って受けた印象。都民は知事として恥じる必要ない人を選択しよう
みんなで山本太郎を応援してみよう!
👉東京都知事選2020の開票結果。過去最多22人の候補者の得票数は?小池百合子氏が6割近い得票で圧勝。宇都宮健児氏、山本太郎氏と続いたがどちらも1割程度に留まる。
おしまい