(2020/7/3 更新)
民主党政権の最大のアキレス腱は小沢氏だったように思う。懲りずに小沢氏のお膳立てで山本太郎氏を野党統一候補として担ぎ上げようとしていたとは、立憲民主も国民民主も何も学んでいない。もし、小沢氏の説得で山本太郎氏が野党統一候補として都知事選に出馬していたら国民はしらけていただろう。
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私は、安倍総理も小沢氏も同じように嫌いだ。民主党政権になって小沢氏が多数の国会議員を引き連れて訪中した過去を思い出す。
2009年に行われた天皇と当時の習近平国家副主席との会見を強行したのは小沢氏だ。安倍総理もコロナがなければ、支持率を上げるために国賓として習近平主席を招待していただろう。
小沢氏の体質は自民党そのものだ。権力闘争から新党を立ち上げただけでその本質は自民党と変わらない。民主党の混乱の原因の最大要因は小沢氏だった。小沢氏に拒否感を抱いている国民は多いはずだ。
私は小沢氏といっしょに「生活の党と山本太郎となかまたち」を立ち上げた頃の山本太郎氏を胡散臭い目で見ていたことを思い出す。今回、小沢氏に匙を投げさせたれいわ新選組への山本氏のこだわりを評価したい。
松下幸之助ならやってみなはれと言ってくれたかもしれない。日本は官僚や経団連の言うまま消費税増税路線に突き進んできたが、そもそもヨーロッパ型の消費税とはまったく異なるものだ。税金の徴収方法をまねただけの代物だ。実態は富裕層に対する軽減税制に等しい。
たくさん稼いだ人がたくさん税金を負担するのは当たり前だと思う。その代わり事業に失敗しても身ぐるみ剥がされて夜逃げや自殺に追い込まれることがない社会制度が望ましいと思う。総合課税にして金融収入を含めた年間の手取り収入の上限を1億円までにしたらどうだろう。経営者もスポーツ選手やタレントもそれ以上の金があっても有効にお金を使えるとは思えない。浪費するか、相続争いの火種を残すだけだろう。
スウェーデンなどの北欧国家は消費税が高額だが、セーフティネットを創って国民の生活を守っている。日本は消費税が上がってもセーフティネットに資金が回らない。それなのに税率だけ比べて北欧並みに消費税を上げる必要があると主張するおかしな人間がいる。日本の国民の税金と社会保険料を合算した国民負担は決して低くない。少子高齢化による減収を補填するために消費税を上げる一方で病院の整理統合等の社会保障サービスの切り捨てが進行しているのが現実だ。今回のコロナで病院の疲弊が明白になっている。
消費税増税で可処分所得が減り、消費税を上げれば上げるほど庶民の暮らしは苦しくなっている。なんのために消費税を上げているのだろうか。年金や給与が減らなくとも消費税で庶民の可処分所得は確実に減り続けている。社会保障制度を維持するための消費税増税といううそでますます庶民の生活が苦しくなっていることにいい加減気づくべきだ。
消費税を廃止して所得に応じた所得税を払う方が庶民の生活は良くなるだろう。所得税が上がらなくても消費税が上がれば所得に関係なく一律に税負担が増えるだけだ。一見、国民全員から薄く税金を取るという方法が社会制度の維持のために望ましく思えるとしたらそれは幻想にすぎない。政治とメディアがばらまいたうそにすぎない。
仮に1億人の人から毎月100円徴収すれば、それだけで年間1,200億円の税収になる。国民は消費税を減らすために大幅に消費を減らすことは難しいから国から見れば消費税が如何に簡便で確実な税収であるかがわかる。財源不足になったら、消費税で税収不足を補いたいという衝動に財務省が駆られるのは至極当然だ。自分たちの給料も確保できる。
10万円の給料の人の1万円と100万円の所得がある人の10万円の税負担は税率は同じでも可処分所得はまったく異なる。事業に成功して金持ちになった人は物欲を満たすために無駄にお金を使っているように見える。浪費は幸せにつながらない。人は毎日、美味しいものを美味しく食べ続けることはできない。飽きてしまうからだ。
税収が足りないと言っているのに法人税を下げ、法人の震災復興税を繰り上げて廃止する一方で消費税増税が不可避という政策が現在とられている。消費税増税で国民の生活が維持されているわけではない。増税で増えた税金は、輸出戻し税で抜かれ、非課税の病院は消費税増税による医療用品の仕入れコストの上昇で経営がひっ迫するばかりだ。
このコロナ禍でも公務員のボーナスは増え、国会議員は満額のボーナスを手にする。そのお金はどこから出ているのだろうか。消費税増税で財源不足が賄えれば、公務員と国会議員の所得は今後とも保障されることになるだろう。もし、お金が本当に足りなくなれば彼らの所得を真っ先に減らさざるを得なくなるはずだから消費税増税に彼らが反対する理由はない。国会議員の定数削減も国家公務員の給与の見直しも今の既成政党では実現される可能性はゼロだろう。彼らは自分たちのために増税に賛成しているのだから。
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トヨタはリーマンショックで赤字に陥った翌年から5年間、税法の特例措置で一銭も税金を納めていない。外国子会社から受ける配当等の95%は税金の対象外であり、大企業はさまざまな税法上の恩恵を受けており、実質的な税負担率は10%台の大企業もある。トヨタは5年間、法人税を払わなかっただけでなく、他人が払った消費税から輸出戻し税という名目で還付を受けている。日本の大企業優遇に対して国民はもっと厳しい目を向けるべきだ。消費税が大企業に恩恵があるからこそ経団連が消費税のさらなる増税を政府に提言まで出して求めているのだ。それは日本のためでも、まして日本国民のためでもない。自分たちのためだ。
小泉元首相は聖域なき構造改革により財政の無駄を省くことを主張したが、国家公務員と国会議員の制度改革は聖域?となってしまっている。国も同一労働同一賃金を唱えているのだからまずは、国家公務員の同一労働同一賃金から始めるべきだ。同一労働だったら正規も非正規も同じ待遇にするべきだろう。その上で賃金の適正化を進めるべきだ。
国家公務員の定年延長制が必要だと言うなら能力考課を取り入れた同一労働同一賃金制を導入してからセーフティネットとしての定年延長を実施すればいい。
国会議員については高すぎる議員報酬を大幅に切り下げるべきだ。報酬が低いと優秀な人材が集まらないという論法があるが、高すぎるから金目当てで議員になり、保身を図り、政策より選挙という現状が変わらないのだと思う。とりわけ、公認権を総裁に握られた自民党議員はサラリーマン化しており、おかしな法案でも一致団結して強行採決する政党になってしまっている。
石破氏がこのままでは自民党が終わると発言しているが、国民のことより自分の生活基盤の心配をしているのではないだろうか。自民党を解体しても無政府状態にはならない。安定を一番求めているのは自民党議員と党員なのだろう。だから、自分たちに影響しない法案は躊躇なく強行採決できるが、議員の身分や選挙に影響するような制度改革は全然進まない。進次郎もコロナ問題のさ中に後援者との飲み会に参加しており、普段から地元での支援者訪問は父親よりまめに行っている。
上から目線の構造改革が結局、大企業と政権の維持のために行われてきただけだ。株価を上げるための年金資金や日銀による株式市場への資金投入は出口どころか麻薬のようにやめることができない状態になっている。
われわれ国民は松下幸之助のようにれいわ新選組にやってみなはれという寛容な気持ちを持つ必要がある。国家に振り回されるような生活をわれわれは望んでいないはずだ。
イージス・アショアの突然の中止、工事自体がいつ終わるかわかない辺野古の基地問題。防衛費だけが膨らみ、食料を含めた日本の安全保障は既存政党に任せていたら悪化するばかりだ。
消費税がなくなったら、社会保障が維持できないというのは本当だろうか。アメリカには消費税がない。もし消費税をアメリカが導入したら皆保険制度を導入できるのだろうか。消費税は結局、コスト競争力を失った日本の大企業の延命装置なのだろう。
際限のない経済成長などあり得ない。地球は有限なのだから。回転寿司で安い寿司を食べられるのが本当に幸せだろうか。寿司の原材料のほとんどが輸入品だ。御馳走というのはたまに食べるから御馳走なのだと思う。
老舗には残ってほしいという思う反面、チェーン店は時代に対応した新しいスタイルに移行するべきだと思う。つまり、店舗数を拡大してコスト競争力をつけるという手法はもう時代に合わない。増えすぎたものは淘汰されるのが自然の法則だ。
社会のセーフティネットに資源を投入するために安くて美味しいものが食べられるなくなっても構わないという覚悟くらいは持ってほしい。コストが高くとも安全・安心のために必要な資源の自給率を高める努力をするべきだ。
マスク等の医療品の付加価値は低いかもしれないが、国民の生活に不可欠であり、低付加価値の儲からない産業も雇用面から財政支援して残すべきだ。コモディティ商品は安いコストで大量生産できる多国籍企業が有利で最終的に寡占が生まれる。最後は相手の言い値で仕入れるしかなくなる。
最低賃金を上げるだけでは、国民の生活保障につながらないことが最低賃金の高いアメリカのコロナ禍による高失業率を見ればわかる。今、仕事を失った人が一番欲しいのは収入を得るための仕事だろう。本当に必要なのは倒産や災害に遭ったときのセーフティネットの存在だと思う。今回のコロナでも住むところがなくなった人にいつでも住むところが提供できる体制があれば、随分と違うだろう。
どんなときでも住まいに困らなければ、国民は安心して生活できるし、困っている人に対する個人間の支援のハードルが低くなり、国や自治体の負担も軽くなる。向上心は大切だが、金持ちになることだけを目標に学問を学ぶような人も少なくなるだろう。
十分な蓄えが必要なのは、きちんとしたセーフティネットが存在しないことの裏返しでもある。義務教育や大学に行きたい人の支援は必要だが、一方で学歴偏重社会は是正されるべきだと思う。山本太郎氏は高校中退だが、何か問題があるだろうか。
人間、年を重ねることで世の中が自然と見えてくるものだ。本人が努力すれば、いつからでも自分の能力を高めることは可能だ。一流大学を出たという肩書だけで社会に出てからろくに努力しない人間が大企業や役所にはたくさんいる。残念ながら、すごろくの最終目標が大企業や役所に入ることだという安定志向の若者は今でも多い。
大学さえ出ればと無理をして中学から有名私立にこどもを通わせる家庭は多い。身の丈に合わない負担で家計が苦しい家庭も多いはずだ。塾に通わなくてもいろんな方法で勉強はできる。大学を出たからといって就職が保証されているわけではない。
普段、安倍総理の言動を批判している小泉元首相が進次郎が入閣したときに「進次郎は私より勉強している」と発言していたのが印象的だ。おそらくそれくらいしか進次郎に対する褒め言葉を思いつかなかったのではないだろうか。よく勉強しているという評価は当り障りのないことを言うときの定番のように思う。
進次郎がアメリカに留学したのは、ひょっとすると偏差値のそれ程高くないエスカレーター式の大学出身という肩書を書き換えるためだったのではないだろうか。政治家になるための短期間の留学がどれほど役立ったのだろうか。大学院卒業後にアメリカの戦略国際問題研究所(CSIS)非常勤研究員になったのも父親と関係しているのだろう。よくも悪しくも親の庇護で育った彼は他人にそう言われるのを嫌う二世議員の典型だ。
都知事選出馬の山本太郎氏の会見は話に中身があった。したいことがあり、そのためにどん欲に努力している感じがした。進次郎と山本太郎氏を比較するとどちらが本当に勉強しているのだろうか。山本太郎氏が国会議員をお金目当てでやっているのだったら前回の選挙で自分が議員を続けることもできた。小沢氏なら間違いなく、自分の当選を優先していただろう。
進次郎氏は政治家として何を目指しているのかよくわからない。落語家の話法を研究したそうだが、残念ながら奇をてらった意味不明の発言が多い。最近も衆院比例代表の73歳定年制の撤廃問題で「小選挙区は定年がない。…小選挙区であれば100歳でも200歳でも定年制はない」と発言している。100歳、200歳でもという表現に意味があるのだろうか。
彼はこれまで規制緩和の例示としてUber、ドローンや自動運転等の先端技術の導入を主張していたが、本当に展望を持って発言しているか甚だ怪しい。彼の提唱したこども保険についてはなぜ年金に加算する方法で保険料を徴収するのかという理由や経団連の社長たちに「年金返上」を求めるという実現性の乏しい行動がよく理解できない。
上面だけの中身のない雑な提案ばかりのように思える。実社会での経験がないから現実離れしたものになってしまうのだと思う。アメリカへ留学するより実社会に出て働いてから政治家になるべきだったのではないだろうか。
健康ゴールド免許に至っては彼の大好きな自己責任論が柱になっている。親の庇護で小学校から大学まで一貫校に通い、アメリカに留学させてもらい、父親の私設秘書から父親の地盤を引き継いて政治家になった人間に自助努力や自己責任を言われたくない。
もし、日本が彼らが提言するような社会になっていたら、今回のコロナ禍で日本は壊滅的打撃を受けていただろう。高齢者の大半が年金生活者だからこそ10万円程度の定額給付金で済んでいるのであって、もし年金をもらっていない生涯現役の老人が大量に失業していたら財源がいくらあっても足りなかっただろう。一度低下した社会制度を復元するのは困難だろう。現在ですら規制緩和で非正規雇用者が増大し、労働者が社会を支える力が著しく低下している。老人の支え手を増やしても社会がさらに脆弱になるだけだ。小泉元総理を起点とする安倍、橋下、進次郎のような勘違い人間のこれ以上の増殖は日本社会の崩壊を招くことになるだろう。
☆働く高齢者が困窮、相談が増加 コロナ禍で減収、仕事なく~解雇や生活費に関する相談が約1200件寄せられた。前回4月の相談会より高齢者が増え、4人に1人が70代以上だった。(共同通信社 2020/06/17)
昔は学歴社会を変えようという空気があった時期がある。しかし、現在はアメリカすら学歴重視社会だからという解説を読むことがある。稼ぐためにMBAの資格を取る人間は多い。教育は金もうけの道具なのだろうか。MBA資格を持ったエセ経営者やどや顔のコンサルト、国際弁護士資格を持った鼻高のコメンテーターにはうんざりしている。
アメリカは日本のモデルになり得るだろうか。銃で自衛しなければならない治安状況、貧困と格差、人種差別、医療格差、教育格差。とうてい住みたい国にはなり得ないと思うのだが。
GAFAという巨大企業が膨張し、富を蓄えて国家を超えた力を持ち出している。国を超えた海外活動が節税に貢献し、富の偏在を生み出している。新産業の雇用創出能力は決して高くない。運よく、時代の流れに乗れた一部の勝者に富が偏在する社会はいらない。GAFAの底辺で仕事をしている労働者は、工場労働者、ドライバー、倉庫労働者という従来の低賃金労働者が大半で、プログラマーやオペレーターの仕事も必ずしも付加価値が高い仕事とは言えない。
生産性の高い“非生産的な”仕事が労働者には求められている。もしくは付加価値が低い仕事を効率的に生産性を高めてこなすことが労働者に求められている。新産業は搾取型の労働を産んでいるだけなのかもしれない。いつの時代も富める者をさらに豊かにする方向に社会は流される。それを是正するのが本当の民主主義なのだと思う。
👉東京五輪、「来年も無理そう…」世論調査に現れた「都民の本音」3カ月でガラリと変わったムード
おしまい