Windows10アップグレード顛末記(1)

　

　RX3でWindows 10へのアップグレードを体験

 

　2015年7月29日から期間限定（1年間）で、Windows 10への無償アップグレードの提供が始まったが、私は当分、静観するつもりでいた。何故なら、現在使っているユーティリティやアプリがきちんと動くか分からないからだ。

 

　それに私の使っているセキュリティソフトのWindows10への対応が8月末頃になるので様子をみるのが得策だと考えていた。Windows10を実際にインストールしたユーザーの人柱？情報を確認してからアップグレードするかどうか決めようと思っていた。

 

　以前、携帯用の中古ノートPCが欲しいと思い、探していて東芝のdynabook RX3が目に止まり、購入を検討したことがある。しかし、そのときは中古で買うには高すぎると考えて購入を見合わせた。RX3は、重量が1.25㎏と軽く、サイズもA4よりちょっと大きい程度だ。そして、HDDの交換が簡単でSSDへの換装情報をネットに公開している人がいたことも購入を考えた理由だ。

 

　現在使っているノートPCをいきなりWindows 10へアップグレードするのはリスクがあるが、中古の安いノートPCならダメ元と考えてRX3の情報を再度調べてみた。もう5年前の製品なのでさすがに手頃な値段になっていた。使用には問題ない外装にキズがあるものなら、2万円を切るものもあり、思い切って購入した。また、換装するためのメモリやSSDも安くなってことも購入を決めた理由だ。

 

　つまり、現在使っているノートPC(Windows8.1)をWindows 10へ移行するための準備としてRX3を入手した。RX3でWindows 10へのアップグレードを体験し、Windows 10の性能と使い勝手をチェックしてみることにした。さらに現在使っているアプリがWindows 10でもきちんと動くか確認してみることにした。

 

　メモリとSSDは入手したRX3をスペックを変えずに現状のままWindows 10へアップグレードして問題がないことを確認してから追加購入することにした。結論から先に書くとアップグレード作業のやり直しを除けば大きな問題もなく、RX3をWindows 10にアップグレード化することができた。

 

　Windowsエクスペリエンスインデックスによる性能比較

 

　以下のデータはWindows 10に移行するまでの各段階のWindowsエクスペリエンスインデックスのスコアだ。スコアは、メモリの増設(2GB×2→4GB×2)やSSDの換装で大きく向上しているのは当然だが、目を引くのはWindows 10のアップグレード後にゲーム用グラフィックスのスコアが最高評価の「9.9」に向上していることだ。

 

　→一般ユーザーのPC最適メモリーは4GB？8GB？それとも16GB？～今回のテストでは、その多くでメモリは4GBあれば十分という結果が出ていますが（米Lifehackerでも数年前に同様の結論を出しています）、『TechSpot』の記事では、現状でもっともコストパフォーマンスが良いのは8GBだとしています。

 

　これはWindows 10で導入された「DirectX 12」の影響なのだろうか。普段PCでゲームをしない私には、その恩恵は実のところよく分からない。また、プロセッサのスコアも改善しているが、一方でメモリと補助記憶装置のスコアがWindows10のアップグレード後の方が下がっており、メモリや補助記憶装置への負荷がWindows7より大きくなっているようだ。HDDの方がスコアの差が大きいことからWindows10にアップグレードするなら補助記憶装置は、SSDに換装するのがベターということだろうか。

 

　なお、Windowsエクスペリエンスインデックスによる評価については、Windows8.1からは削除されたが、コマンドプロンプト画面で性能評価のためのコマンドを入力することでエクスペリエンスインデックスのスコア自体は確認可能だ。得られたデータは、WinSAT Viewerというサイトを使うことで従来と同様の結果を表示することが可能だ。

 

　→Windows 8.1で「Windowsエクスペリエンス インデックス」値を計測する(Windows10でも実行可能)

 

　ところでWindows10へのアップグレードで最大の注意事項は、移行前後のバックアップをどうするかという問題だと思う。Windows10アップグレード顛末記は、今後、毎回少しづつ報告する予定。　つづく