本書は山田さんが自身の日常をつづるブログをまとめた一冊。クリニックや老健での出来事だけではなく、思い出話や近所の人たちとのエピソードも披露されている。本書では、2013年5月から翌2014年5月までの七宗町の風景がゆったりと過ぎ去っていく。初夏からはじまり、夏、秋を超えて冬になり、そして春がきてまた初夏を迎える、その季節の移ろいの中でいろいろなことが起こる。(中略)
田舎暮らしでは、同じ集落はもちろんのこと、同じ町の中にもたくさんの知り合いが増える。都会では味わえない濃い人間関係が生まれるのだ。競争が激しく同僚でさえも敵になる可能性のある都会とは違い、田舎では生きるために助け合いの精神を育む必要がある。モノは最低限しかない。だからこそ、人間関係は大切になるのだ。「何も無いから全てがある」
これは10数年前、山田さんが七宗町にクリニックを開業したばかりのときに、若者の田舎ばなれ対策の一環として県から依頼を受けて書いた原稿の表題だ。確かに、田舎には「何も無い」のかもしれない。しかし、「何も無い」からこそ、自分が隣人と協力して築いていかなければいけない。そこにこそ、人との交流から生まれる「幸福」があるのではないだろうか。
本書には、人生を豊かにするヒントが満載だ。あなたも「田舎暮らし」の喜びを知り、いずれは田舎に住むことを検討してみてはいかがだろうか。(新刊JP編集部)
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