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2015/05/23

「バッカじゃないの」

バッカじゃないの!
バッカじゃないの!

 

 橋下市長の人気投票?

 

 大阪の狂想曲(気分的には「狂騒曲」)「大阪都構想」の演奏会が終わり、最近、少し落ち着いてきた。私は、知らなかったが、住民投票前に一般の大阪市民同士が大阪都構想をめぐって日常、対立する場面があったと伝える記事や報道を目にした。

 

 しかし、岡目八目ということばがあるが、大阪以外の人間から見れば、住民投票は、大阪都構想という政策の選択投票というより、橋下市長の人気投票にすぎなかったのではないだろうか。今回の住民投票を見て、橋下氏ならひょっとして何とかしてくれるかもしれないという根拠のない漠然とした思いを抱いている市民が結構、多くいるように感じた。橋下氏が街頭演説をする姿がテレビに映し出され、橋下ファンと見られる中年の婦人が今にも抱きつかんばかりの勢いで駆け寄り、握手を求める姿は、端から見れば滑稽ですらある。

 

 →大阪都が審判へ 橋下改革の「最終決戦」公明党本部の意向で方針転換され実現が決まった5月17日の大阪市民の住民投票で~さすがの弁舌テクニック。とはいえ、聴衆が大きくわいたのは、議員の給料やむだの排除といった、わかりやすいお金の話のときだけだった。しかも市議の給与は、演説後の条例改正で引き上げが回避されている。… この日初めて橋下氏をナマでみたという60代の主婦は、「やっぱり元気あるわあ。力がみなぎってはるかんじ」と興奮げに話した。都構想についてたずねると「それも大事やわなあ、ははは」といった後、沈黙して去った。70代の男性は「あんたらは橋下さんを批判するやろ。わしゃ許せん。帰れ!」…もちろんよく勉強している市民もいるだろう。だが、総じて橋下氏を支持する人は、制度の中身がわかってもわからなくても都構想に賛成、嫌いな人は中身はともかく反対という傾向が強い。

 

 →【大阪都投票】あと1週間、「橋下嫌い」は反対「橋下好き」は賛成で本当にいいの? ~「都構想というよりも、行動力のある橋下さんが好きで、通りがかりに演説を聞きに来た」と話す。

 

 阪神を熱狂的に愛する大阪特有の風土が今回の異様な住民投票をめぐる対立を生んだのではないだろうか。もし、これが、関東の都市で行われた住民投票であれば、異なった風景になったように思う。関東の人間は、巨人ファンが多いかもしれないが、決して熱狂的ではないように思う。スポーツのような勝負事では、勝ち負けは、避けて通れない。だから勝ち負けのために策をめぐらし、技を競い合う姿を見ることは、多くの観客の楽しみでもある。そして、勝者を称え、敗者の健闘に拍手を送る。

 

 しかし、大阪都構想の住民投票は、勝負事ではない。どうしたら大阪を活性することができるかという選択肢の一つにすぎないように思う。まして、提案者である橋下氏のファン投票であるはずもない。しかし、住民投票後のマスコミの記事やネットの情報は、希有な?政治家の喪失に関するものばかりのように思う。住民投票に負けても市長に留まり、大阪都構想以外の方法で大阪を再生する努力を続けるという選択もあったように思う。

 

 →引退表明、早くも市民に“橋ロス”? 事務所や市役所、党本部に電話、メール

 

 →総合区と特別区—大阪の地方自治の新たな方向性

 

 →住民投票で政治のタレント化を乗り越えた大阪市民「好き嫌い」から「政策」を見極める政治へ

 

 →大阪都構想について今更ながら考える~大阪というのは、21世紀の日本経済の中で間違いなく負け組であり続けた。…大阪は大都市でありながら下位グループに入った唯一の都道府県である。なおこの間大阪の人口は増えている。…なぜ橋下府政がこれだけ支持され続けて来たのかというと「改革する」ということを続けて来たことにあったように思う。結果は出ても出なくても、とにかく橋下府政ー市政ではありとあらゆる「改革」が行われた。…橋下氏のブレーンである上山信一氏によると164個もの改革が行われたらしい。…大阪に残された「改革」項目はそれほど多くない。幸か不幸か橋下さんがやり尽しているからだ。…「勝ち組」となった京都市では、平成12年の観光客4000万人ー観光消費4400億円の時に「10年後に観光客を5000万人にする」という目標を立て、京都府と二人三脚で推進。平成21年に5000万人越えを達成、平成25年には観光消費は7000億円の大台に乗った。

 

 「バッカじゃないの」

 

 住民投票に破れ、潔く政界を引退とか、「橋ロス」とか、あるいは、大阪市民が最悪の選択をしたといった類いの記事を読んで、最近、話題になっているテレビドラマの「ドS刑事」黒井マヤ巡査部長の決め台詞「バッカじゃないの」が浮かんできた。

 

 住民投票前の反対多数の場合の政界引退声明も橋下氏の計算された戦略だったように思う。大阪都構想が否決されれば、今後、自分に続く改革者は、出てこないけど、いいのですかということを市民や党員に暗示して投票行動に追い込む作戦だったように思う。そして、その企みは成功したようだ。しかし、その発言が結局、橋下氏を政界引退に追い込むことになったのではないだろうか。決して、潔く引退するとかいったきれい事ではないように思う。

 

 →(上)敗北の橋下氏「議員から辞表集めておけば…」と冗談も 引退会見の隣室は“修羅場”に 

 

 →「橋下的なもの」に対抗する手段とは?(上)「敗戦会見」はたいしたもんだったけど……

 

 シルバーデモクラシー?

 

 そして、最も醜悪な分析は、「シルバーデモクラシー」という70歳以上の高齢者の投票行動が、大阪都構想の敗北の原因だと主張する声だ。出口調査で高齢者の反対票が多かったことを批判するものだ。しかし、投票権は、すべての世代に公平に付与されているものであり、その投票を出口調査というアンケート調査のデータを基に高齢者を悪者のように批判する低レベルの発言にがっかりしてしまう。高齢者を既得権益者と見る貧弱な発想に発言者の人間性を疑ってしまう。

 

 一方、有権者数という視点から見ると実際に投票した若者の数が少なかったことも影響していると分析する意見もある。住民投票に限らず、選挙で若者の投票が少ないというのは、昔から普遍の事実だ。大阪都構想の住民投票について高齢者の反対票をターゲットにして批判するのは、とてもおかしいと思う。

 

 →辛坊治郎氏に贈る大阪市の住民投票結果の分析

 

 →都構想の否決を「シルバーデモクラシー」と批判する人の正体「情弱の高齢者が都構想をツブした」というデマをふりまく知識人達よ、情弱はお前らだ!

 

 →大阪の住民投票、実は30~40代多数 シルバー上回る~5月にあった大阪都構想の住民投票では、30~40代の投票者が計48万5579人で、65歳以上の高齢者の46万2403人を上回っていたことがわかった。

 

 だから、小泉進次郎氏の発言にはとてもがっかりしている。「僕は30代。30代男性で見ると、6、7割が賛成。そして70代男性は、6割が反対だった…男性だけで見ると、反対票を多く入れているのは、70代だけで、60代から下の男性は、全部、賛成の方が多かった…よく、シルバー民主主義って言われることもある。高齢者の意向に左右されているような日本の構造、そのことの象徴的なものだったのかも…。これからもっと、自分なりに分析していきたい」と感想をもらしたと報道されている。

 

 女性だけで見るとどういう感想を持ったのだろうか。こういう発言を聞くと被災地の福島での小泉氏の取組も本心は別のところにあるのだろうかという疑念が湧く。結局、政治家は、権力を握ってみてからでないと国民には、その政治家の本当の人物像を知ることができないのかもしれない。

 

 賛成票を投じた70代の男性が40%もいたことについては、どう考えるのだろうか。視点を変えると分析は変わってくる。しかし、そもそも投票した人の一部のアンケート調査にすぎない出口調査の結果についてのコメントとしては、どうなのだろうか。「高齢者の意向に左右されているような日本の構造」という発言は、国民に人気のある小泉氏だけに、ある意味で高齢者に対する同調圧になるように思う。

 

 →小泉進次郎氏、大阪都構想での「注目点は、世代別の動き」 シルバー世代の反対多数で「高齢者の意向に左右された」と分析

 

 →日本の投票率を激減させた張本人と60代以上投票率がまだしぶとい理由の推測 ~民主党が政権を獲得した第45回は20代の投票率は50%近くまで回復。しかしそのあとの民主党ダメダメ路線確定で裏切られた形となってさらに投票所に足を向けなくなったのである。…「若者も選挙の優先順位が高ければほかの忙しいことを押さえて選挙に行く」ということですね。10年くらいしていまの60〜70代がどんどんいなくなると全体の投票率はもっと低下するでしょう。…国民の投票率を上げるには、組織票がないと勝てない「小選挙区制の廃止」が必須となるわけですね。ネット投票でも投票率は上がるけど、結局上がってもなにも変わらないということになればまた下がりますな。しかし肝心の政権与党とか組織票がうりの政党のみなさんは、投票率が上がることを必ずしも望まない。

 

 国のかたちを変える一大改革、その歴史的一歩となるはずの構想?

 

 私が最も滑稽だと思ったのは、維新の党代表の江田憲司氏の代表辞任だ。ブログで本人が辞任の理由を述べている。はっきり言ってうそ八百のように思う。私は、みんなの党の発足以来、選挙で自民党に対抗する野党として投票してきた。しかし、みんなの党の解党後の維新との合流は、誰から見ても、橋下氏の人気とその集票力で党勢を拡大したいという野心以外の何ものでもないように思う。

 

 江田氏のブログにはこう書かれている。『なぜ大阪の問題で国政政党の代表までが辞任するのかというご意見があります。しかし、大阪都構想は、ひとり地域政党・大阪維新の会の原点であるだけでなく、国政政党・維新の党の原点中の原点でもあるのです。そのために結党した党だと言っても過言ではありません。それは、「中央集権」を打破し、将来の「地域主権改革」「道州制の導入」につながる、この国のかたちを変える一大改革、その歴史的一歩となるはずの構想でした。だからこそ、今年2月の第一回の党大会も、私はあえて大阪で開催することを指示し、大阪都構想の「決起大会」としたのです。』

 

 →維新の党代表を辞任・・・「大阪都構想」は国政政党の原点でもある

 

 →たそがれの「第三極」 1強政権で存在感示せず

 

 都構想の意義は権力を全部引きはがして新しい権力機構をつくること

 

 しかし、大阪都構想は、単なる大阪市の解体にすぎず、その目的が、大阪市の権限を二重行政という理屈で大阪府に吸収することにあるのは明らかだからだ。つまり、大阪府へ権限を集中する中央集権化が本来の目的であり、そのことを橋下氏自身、大阪府知事・大阪市長のダブル選挙で言及している。

 

 「大阪は日本の副首都を目指す。 そのために今、絶対にやらなければいけないのは、“大阪都”をつくることだ…今の日本の政治で一番重要なのは独裁。独裁と言われるぐらいの力だ…(大阪都構想に反対する大阪市を抵抗勢力だとして)権力を全部引きはがして新しい権力機構をつくる。これが都構想の意義だ。」と。

 

 →敗因は橋下疲れか、主役引退で迎える大阪カオス 弱かった市解体の理由と無理やりだった区割り案、避けられない維新の求心力低下

 

 →都構想反対の組織、勝っても不安 橋下氏の影なお 

 

 →大阪都構想、手探りのテレビ報道「賛否の発言、等しく」

 

 自民党のめざす道州制

 

 自民党の憲法改正草案は、地方自治体の自治権の剥奪と住民の義務の強化を目的とした道州制の実現をめざしており、橋下氏は自民党の改憲政策への協力を明言している。だから、橋下氏は、住民投票で勝利し、国政で道州制を実現する構想を描いていたと思う。

 

 →構想投票・改憲国民投票、ともに緩い規制 懸念の声も~憲法改正に積極的な橋下市長は「都構想の住民投票は、憲法改正の予行練習だ」と言及。

 

 しかし、この道州制は、江田氏の言う「中央集権を打破し、将来の地域主権改革」につながるものではなく、地域主権を奪い、国が主導権を握る中央集権化を目指すものとなるだろう。そして、そのときは、大阪府の人口の30%にすぎない大阪市だけではなく、堺市を始めとするすべての自治体の自治権が剥奪されることになるだろう。仮に江田氏の思惑が違ったとしても江田小隊は橋下王国の属国軍に過ぎないのだから。

 

 →大阪都構想は道州制の縮図(私のブログ)

 

 →地方創生のウソ~地方自治体は、少子高齢化でなく、道州制で消滅する?(私のブログ)

 

 将来的に東京はスラム化するという指摘

 

 そもそも東京をモデルにした副首都という考え自体、正しい選択なのだろうか。モデルとされる東京都は、今は、人口の集中が続いているが、少子高齢化の進展、地方から流入した低所得未婚者の高齢化が進み、財政難で将来的には東京のスラム化が進むことを指摘する専門家もいる。

 

 →高齢者だらけのゴーストタウンに......オリンピック後に東京が直面する恐ろしい未来図

 

 → 日本が衰退した理由。~日本で借金が増え始めたタイミングはバブル崩壊以降だ。日本=借金大国というイメージが定着しているが、それはここ20年ほどの話だ。バブル崩壊時、政府債務の額は300兆円程度と現在の1/4以下だった。しかしバブル崩壊の穴埋めを公共事業のバラマキで行おうとしたため、借金増加に拍車がかかった。…環境が変わり働き方も変えるべき時に「高度経済成長期よ再び」とばかりにとっくに効果の薄くなっていた財政出動を繰り返した結果だと言える。そして今では1000兆円を超える借金の金利と、増加し続ける社会保障費を賄うため国民負担が重くのしかかる。…いまだに公共事業が経済発展に寄与すると考える人も少なくない。200兆円を投じるとも言われている国土強靭化計画はその最たるものだ。今後インフラへの投資が必要になる事は間違いない。しかしそれは老朽化したインフラを一つひとつ補修していくという地味なものになるだろう。とても公共事業で景気回復!などという話にはならない。

 

 →(脱・一極集中)東京への企業流出、歯止め探る大阪~「大阪都」という「第2東京」をつくることが、停滞を抜け出す「解」だったのか。日本総合研究所関西経済研究センターの広瀬茂夫所長は「大阪がめざすのは2番目の東京ではなく、若者の起業が相次ぐような『民の力』を生かせる場だ」と指摘する。

 

 →(脱・一極集中)国際化、大阪を浸食 復活へファンド~大阪府には従業者4人以上の製造業事業所が1万8229カ所(13年)あるが、大半が中小の工場だ。この15年間で事業所の数は半分に減った。…中小企業に詳しい大西正曹(まさとも)・関西大名誉教授も「中小は下請けで培った技術力をアピールすることで、海外から仕事を増やせる可能性がある」と指摘する。

 

 嫌いだから信頼できないのではなく、信頼できないから嫌いなのだ!

 

 橋下氏の大阪都構想は、蜃気楼に過ぎないように思う。橋下氏側は「僕のことはキライでもいい。でも、大阪がひとつになるラストチャンスなんです。」と訴えていたが、私は、このキャッチフレーズに違和感を覚えた。私は橋下氏が嫌いだが、最初から嫌いだったわけではない。これまでの数々の言動から信用できないから嫌いなのであって、理由のない、生理的な嫌悪感から嫌いなのではない。

 

 都構想に反対した多くの人もよくよく考えれば同じ思いだったのではないだろうか。もしこのキャッチフレーズを「僕のことは信頼できなくてもいい。でも、大阪がひとつになるラストチャンスなんです。」と言い換えたらどうだろうか。信頼できない人に投票しようという気になる人がどれだけいるだろうか。橋下氏は、暗に反対者が政策の中身ではなく、感情論で反対しているというイメージを市民に訴えることで同情票を勝ち取ろうとしたのかもしれない。

 

 しかもどうしてラストチャンスなどと断言できるのだろうか。要は、自分のように改革を進める人間は、今後、二度と出てこないけど、それでもいいのですねと言いたいのだろう。一種の催眠商法だ。まるで成績優秀なセールスマンが契約に迷っている相手に判子を押させるための決め台詞として使うフレーズのようだ。「僕のことが嫌いでも、これは、お客様のための最後のチャンスですよ。僕以外にお客様にこの提案をできる人間は他にいませんよ。」

 

 希有の政治家と発言する意図

 

 江田氏のような橋下支持者(というより橋下氏の人気を利用したい人たち)の「希有の政治家」という橋下氏を評価する発言も有権者に対する催眠商法のように思う。橋下氏を本心から尊敬しているわけではないのに自分にとって有利か不利かを判断して動いている人が多いのではないだろうか。

 

 こういうタイプの人はサラリーマン社会だけでなく、地域社会の中にも多いように思う。同調圧に敏感で自分の損得だけで動く人は、周囲にいっぱいいるように思う。国民は、日頃から自分で判断するための不断の努力が求められるように思う。まず、自分で情報を確認し、自分なりの考えを整えてから分からないことをいろいろな人に聞いてみるべきだと思う。  おしまい

 

 → 橋下徹と田中康夫を通じて「二項対立」について考えたのだ ~一方、発言しないことも罪である。今の日本において、怖いのは、規制であり、中でも自主規制だ。…私は橋下徹については、数年前から、ずるいな、卑怯だなと思いつつ、ある姿勢を貫き通してきた。それは「批判も肯定もしない」ということである。いや、私なんかの小物は相手にされないだろうが、彼は批判した人を徹底的に吊し上げ、レッテル貼りをする、論破しようとする。一方、彼を肯定していたら、数年後、相手にされなくなると思ったからだ。

 

 →地方の衰退を招く「3つの重大な間違い」とは なぜ計画を立て目標管理しても失敗するのか~例えば、地方創生においては、人口の増減そのものが問題ではないので、「人口を増やす戦略」そのもの自体がナンセンスです。…当たり前ですが20年後の成人人口は、今年生まれた子供の数で決まります。いくら地域間競争をして、隣近所から奪ってきたところで、国単位では縮小するのです。計画の根本は、人口が減少する20年で、「どうやったら破綻しない持続的な社会を作り出すか」にあります。…縮小社会では、拡大社会時代の前提「増加のみが問題を解決する」という発想そのものを疑い、先行投資を莫大にやれば逆転できるという幻想を捨てなくてはなりません。…行政の構造を一気に変えることに力を注ぐよりも、民間が行政計画とは関係なく、まちなか再生などでも活躍をして、それを一人の市民として行政マンも支え、それが成果を収めていくうちに、自治体を動かし、行政の戦略へと昇華していくことだって多々あるのです。

 

(追記)

 橋下氏の手法は、マクドナルド経営に似ている

 

 橋下氏の手法は、効率化という名の下にコスト削減だけを追求するグロバール経営と同じように思う。しかし、コストを削減し、利潤を維持・拡大する米国型の経営は、現在、その限界が見えてきているように思う。無限にコストを削減することは不可能だし、売上を永遠に拡大することもできないのは、資源や需要に限界がある以上、当然の帰結のように思う。

 

 そして、そのことを一番よく表しているのは、最近のマクドナルドの業績不振だと思う。異物混入等の衛生問題は、業績不振の一つの引き金ににすぎないことがだんだん明確になってきている。株主から短期的成果を求められた経営側の目先の利益を優先する行き過ぎたコスト削減が人的・物的資源を回復困難なレベルまで劣化させ、そのために商品の品質とサービスの低下が進み、客離れを引き起こしているように思う。従業員の疲弊で店舗の清掃や設備の点検が疎かになり、事業モデルの劣化が進んでいるようだ。長年かけて培ったノウハウを目先の利益追求のために破壊した経営者の責任は大きいと思う。

 

 大阪も橋下氏の手法を続ければ、結果的にお客である住民が行政サービスの劣化に不満を持ち、魅力の薄れた大阪から離れていくことになるのではないだろうか。それは少子高齢化以上に大阪の人口減少に拍車をかけることになると思う。

 

 聖域のないコスト削減を何のために行うのかという原点が忘れ去られているのではないだろうか。行政コストを抑え、市民の理解を得ながら持続可能な行政サービスを実現するための努力を職員と共に行うことが市長や知事の仕事ではないのだろうか。カジノができたら、大阪に住みたいと思う人が増えるのだろうか。カジノの誘致によるメリットとデメリットをきちんと試算したのだろうか。

 

 →朝日新聞への寄稿~二重行政のロスが大きいと言われたが、府県と政令指定都市の間に権限の重複が発生するのはほとんど制度的必然である。そこを調整するのが「間に立つ人」の知恵の見せ所ではないのか。…私たちの国が現に直面している危機の実相は「かなりよくできた制度」が運用者たちの質の劣化によって機能不全に陥っているということである。

 

 →大阪市議会がカジノ予算大減額 橋下氏「引退」の影響?

 

(追記2)

 「道州制こそ、国から地方が権限と財源を奪う」本当ですか?

 

 「道州制こそ、国から地方が権限と財源を奪うのに、最大の武器となりえるのである。」と主張する記事を読んだ。しかし、自民党の改憲草案は、その真逆で、地方から国が権限と財源を奪うことを目的にしている。下記のような主張をするなら、自民党の改憲草案の内容についてきちんと説明するべきだと思う。

 

 そして、安倍首相と取引することは、「安倍」防衛法制を飲むことを意味する。安倍首相の個人的な目標と関心は、それ以外にないからだ。憲法改正草案の地方自治(草案には、道州制ということばは使われていない。)の条項は、首相が実現したい戦争条項を実現するためのツールだから国の権限を強化することはあっても、地方の権限を拡大するような政策を受け入れることはあり得ないと思う。

 

 安倍政権は、改憲により辺野古移設や原発の使用済み燃料の最終処分場を国が決めたいのだから下記の記事は、妄想か、あるいは安倍政権の改憲政策の片棒を担ぐものだろう。あるいは、国民のためではなく、維新の党の生き残り策の提案にすぎないのかもしれない。

 

 →大阪の問題解決はこれからだ  都構想反対派も責任を持って対案を示すべき~維新の党が本来追求すべき政策は、「大阪都構想」以上に、「道州制」であるはずだと指摘した(第69回)。道州制こそ、国から地方が権限と財源を奪うのに、最大の武器となりえるのである。 なぜなら、「道州制」の実現には「憲法改正」が必要になるからだ。憲法改正こそ、安倍首相が最も「やりたい政策」なのである。つまり「首相の最もやりたい政策への協力」という、野党が首相に対してネゴシエーション・パワーを持てる数少ないカードになりえるかもしれないからだ。

 

(追記3)

 大坂人から見た大坂都構想の景色

 

 私は、大阪都構想の二重行政の解消というスローガンにとても違和感を持っていた。一般論として二重行政という形式論で言うなら、地方自治そのものが国から見たときは、すべて二重行政に当たるように思う。この関係は、都道府県とその管轄下にあるすべての自治体にも当てはまる。だから、大坂都構想で使われる二重行政の解消ということは、結局、中央集権化するということと同義だと思う。

 

 行政の意思決定の効率化という側面から見れば、中央集権化する方が、為政者にとって明らかに効率的だろう。しかし、地方分権は、民主主義の基盤を支えるものだと思う。地域の実情に合った行政運営を担保するためには不可欠なしくみであり、為政者の独裁を抑制するために国民や住民にとって掛け替えのないしくみだと思う。

 

 そして、中央集権化は、決して行政の無駄をなくすことにはつながらないように思う。国を見た場合、省庁の縦割り行政から生じるたくさんの二重行政や予算の無駄遣いが続いている。最近は、あまり話題にならなくなったが、天下りは、依然として減っておらず、従って、既得権益組織も存続し、貴重な財源がドブに捨てられている。

 

 こうした無駄をなくすために、中央から地方に権限や財源を移管するべきだという地方分権の必要性が永らく叫ばれてきたように思う。つまり、組織を中央集権化したら二重行政が解消されるという保証はどこにもない。それどころか、国民や住民の生活より事業者を優遇する国や都道府県の誤った政策による補助金等の財政支出が増加するリスクが高まるように思う。

 

 正直、私は、安倍政権の憲法改正に協力するという橋下市長の発言がなければ、大阪都構想に関心を持つこともなかったように思う。安倍政権の憲法改正草案は、地方自治を国民から奪う内容であり、その改憲に橋下市長が協力を表明していることに強い違和感を感じていた。

 

 私は、大阪については、行ったことはあっても周囲の関西人やテレビの情報以上に大阪人の気質について知らないし、東京より南に住んだことのない人間には、大阪文化は馴染めないのも事実だ。基本的には、大阪のことは、大阪の人が決めればいいというのが私の考えだ。

 

 しかし、大阪都構想が仮に賛成多数で可決されていたとしても大阪府議会の単独過半数に届いていない大阪維新の会が都構想を府議会でスムースに推進できたか疑問が残る。大阪府の吹田、八尾、寝屋川の3市長選は、いずれも大阪維新の推薦候補が敗れているので、将来、大坂都を実現しようとするときに大阪市以外の自治体の協力を取り付けることは、一層、困難だったと思われる。だから、橋下氏は、憲法改正で道州制を実現することで中央から大坂を解体して大坂都に変更するつもりだったのだろう。

 

 最近、大阪人が書いた、大阪気質から見た大阪都構想についての以下の記事を読み、大阪には、大阪の特殊性から生まれた二重行政(府市対立?)があるという分析が興味深かった。過去に府市の役割の棲み分けが存在し、うまく機能していた時期があるなら、それは、とりもなおさず、府市の二重行政が問題なのではなく、お互いに歩み寄れない人たちの問題のように思う。しくみを変えても大坂の人々の意識が変わらなければ、何も変わらないように思う。人の気持ちは、押し付けでは変わらない。大阪市民が自ら意識を変えることしか解決できないのではないのだろうか。やはり、大坂が自分たちで相互理解を深める以外に道はないように思う。

 

 →大大阪と大阪都 ~大阪の特殊性としての、府は文化、市は都市計画という住み分けは完全に壊れ、都市計画を担う大きな行政府が大阪に二つ存在することになった。記憶違いもあるかもしれないが、大阪府民、市民から「府市合わせ」と揶揄され始めたのはこの頃からだったと思う。…今回の住民投票が象徴しているように、賛成多数で大阪市が解体され特別区に再編成されても、当面は大阪府下の特別区になるだけのことだ。少なくとも二重行政の弊害の解消という点で言えば「大阪都」はまったく関係しない。…都構想において「大阪都」という言葉は、その構想の本質に関係しない、もしくは、法的な担保を持たないイメージの言葉だ。しかし、大阪の未来の姿を喚起させる。つまり「大阪都」という言葉は、まさしくレトリックだったのだと思う。そのレトリックは、大阪人が、とりわけ大阪市民が持ち続けてきた大大阪幻想と大きく関係している。…大大阪幻想を根深く持つ大阪市民にとって強く喚起させる「大阪都」というレトリックは、大阪市以外の堺市の人たちには、その訴求力は弱くなるのは当然で、結果的に、堺市民は大阪都構想に乗らないことを選択した。…時間経過に従ってレトリックの力が弱まっていくのは当然の帰結で、それは、民意を問うとして市議会を解散し行われた2014年の大阪市長選の投票率にも現れていた(2011年は60.92%、2014年は23.59%)。…あらためて思ったのは、本質的に言えば、多数決がそのままイコール民主主義ではないということ。多数決は、民主主義的な意思決定の最終的な手段だ。であるならば、やはりこの結果の意味は、出来る限り正しく把握して、次代に引き継ぐことが必要だろうと思う。

 

 →ポスト都構想へ「大阪会議」府と政令市が同じテーブルに

 

 →「大阪会議」設置条例案、市議会で可決へ 都構想の対案

 

 →ポスト都構想枠組み可決、かじ取り役 自民に 市議会 

 

 →「大阪会議」可決、効力は未知数 ダブル選へ思惑交錯

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