〇2000万円発言の裏にある公務員共済破たんの救済措置 急務は金融庁の赤字体質改善~厚生労働省のサイトに、「公的年金各制度の財政収支状況」というページがあり、いつでも閲覧できます。…厚生年金部分を見ると、国家公務員共済と地方公務員共済の赤字分を、もともとの厚生年金が穴埋めするカタチとなっているのがわかります。…平成27年10月には、公的年金の制度統合、公的年金の一元化が行われました。が、実態は事実上破たんした国家公務員共済と地方公務員共済の救済策だったことがわかります。…共済年金の被保険者が特に多くの保険料を負担してきたわけでもなく、民間サラリーマンと同等か、むしろ少ない程度だったとも言われています。少ない負担で多くの給付。しかも、被保険者数と年金受給者数のアンバランス。「事実上の破たん」は、当然のお話です。
〇令和時代の老後リスクとは? 入院できない人たち~入院時にまず必要なのは「入院契約」だが、サインを求められるのは本人だけではない。病院から「ここは身内の方にでもサインをもらってください」と求められる書類がある。それが「身元保証人」の契約だ。
〇アメ横の苦悩、アジアングルメ店が「営業マナー」で地元と軋轢~アメ横商店街はあたかもにぎわっているかのように見えるが、アメ横の店主たちはマナー問題解決のために割く時間やコスト、さらには精神的な苦痛で疲弊しきっている。また、一部の経営者は“アメ横不況”は「インバウンドでは回復できない」ことに気づき始めている。揺れる経営者の心情だが、千葉さんはこれを見過ごすことができない。
〇「買っていい/避けるべき」タワマン。話題の武蔵小杉が要注意な理由~タワーマンションに関しては、外装の長期保全について、大手ゼネコンでさえも尻込みしているのが現状であり、建て替え等という選択肢はまだ誰も想定出来ていない。…建物の高さに関する規制を緩和することで、お金儲けの匂いを嗅ぎつけた大手デベロッパーが群がり、地域もそれを諸手を挙げて受け入れていった結果、街全体の将来像や課題に伴走して旗を振る人がいないのだ。建てて売れればそれでよい人達が、懐を肥やして通り過ぎていっただけの現象なのである。
〇韓国、高学歴貧困の現状。「幼い頃の夢を叶える人なんていない」~’05年の82.1%から下降線を辿っているものの、大学進学率は70%台で推移しており、国民の約8割が大卒にあたる。しかし、大卒者であっても財閥系大企業に入れなければ30歳で年収200万円台が妥当な金額。そのため、高学歴貧困者の数が世界トップレベルにあると言えるのだ。…「昔は貧しさから逃れる手段が学問でしたが、今は手段が目的と化し、学問の価値が下がっていると思います。それに韓国ではいかなる会社も学歴とは別に、実務と無関係の資格を過度に要求します。そのせいで明らかに過剰で無駄な勉強をさせられています」…「労働市場の両極化と、高学歴者のインフレが起きている点も考慮しなければなりません。特に韓国は大企業とその他の中小企業の賃金格差が非常に大きく、そのうえ大企業の数が全体の1%しかないため、当然ながら大量にあぶれる人が出てきます。また、似たようなスペックばかりのため区別がつかない。それで政府からは、経歴を開示せずに選考する案が出ましたが、そうなるとさらに混乱が生じるでしょう」
〇高学歴社会が生み出す韓国「N放世代」の不幸 政権転覆の巨大なエネルギーを生みかねない~韓国の大学進学率は1980年代には20%台だったが、特に金大中大統領時代に積極的に取り組んだ結果、1990年代後半から急速に上昇し、2008年ごろには約80%を記録した。…その後は少し落ち着き、最近は70%前後が続いているが、それでもOECD諸国の平均値である約6割に比べるとかなり高い。その結果、韓国では高学歴信仰がかなり定着してしまったようで、筆者の知人である韓国の大学教員は、「学士(大学卒)でなければまともに結婚できないという空気が社会に生まれている」という。…「若者の夢は、ソウルの大学に合格して卒業し、ソウルの企業に就職し、ソウルで家庭を築き子どもを作り、ソウルで一生を暮らすこと。彼らの多くは出身地に戻ることを決して考えないのです」…ところが、この高い大学進学率とソウルへの過度の集中が、皮肉にも大学卒業生の就職率の低下を招いているというのだ。…「大学を卒業した若者は、自分たちは大卒にふさわしい仕事をすべきであると考えて、ブルーカラーの仕事は大卒のやることではないと拒む傾向がある。その結果、ブルーカラーの労働者が足りなくなっており、多数の外国人労働者が埋めている」…せっかく、大学を卒業したにもかかわらず就職できない、結婚もままならない、せっかく就職先を見つけても住宅費が高すぎる。…「高学歴社会」が、今度は若者の結婚や出産にとって重荷になっているのだ。その結果が合計特殊出生率0.98という数字に表れた。
〇ほとんどの分譲マンションはやがて「粗大ごみ」となる運命~では、どうすればよいのか? まず、法制度を変えるべきである。現行の、区分所有者の権利をあまりに尊重するような仕組みは改めるべきだ。次に、解体に備えた費用を積み立てるべきだろう。定期借地権といって50年から70年後には解体したうえで更地にして地主に土地を還す、という権利形態の分譲マンションがある。この定期借地権のマンションでは、管理組合が区分所有者から将来の解体費用を毎月徴収している。こういう「解体費用の積立」を通常のマンションでも行うべきだろう。そうすれば、何十年か先の解体もスムーズに行えるのではないか。
○東京"高齢者激増"で起こる介護難民の恐怖 高齢化問題でヤバいのは都市部~40年までに増加する高齢者人口の実に75%(約400万人)は、東京など9都道府県に集中する。特に東京圏の高齢化の進展は急速で、10年から40年までの75歳以上人口の増加率は東京23区で60%超、千葉県西部、神奈川県北部、埼玉県中南部などの「東京近郊市」の大部分で100%を超えると予想される。
○老後、安心して暮らせる? 年金は、住まいは…~高齢者の貧困はすでに深刻です。大きな要因は単身高齢者の増加です。1人分の基礎年金額が、生活保護制度で「最低生活費」と定められた金額を下回っており、生活保護に流入する高齢者が増え続けています。夫婦世帯を想定し、「2人分の年金でみれば、基礎的な消費支出を上回る」と説明してきた政府にとって、現在の状況は想定外だったでしょう。…今のところ団塊ジュニア世代の経済状態は、極端に悲惨にはみえていません。安定した収入と持ち家を有する親と同居できているためです。親が仕事を引退しても親の年金をあてにできます。しかし、親が亡くなれば、自由に使えるお金は一気に減り貧困に陥る人がでてきます。配偶者や子どもを持たない経済的に困窮する高齢者が増えることは、社会全体にとってのリスクだと思います。…しかし、75歳を超えても働き続けることは難しいでしょう。生活保護制度は仕事に就いて自立することを目指しているので、それとは別の仕組みをつくるなど、年金のほかで高齢期に最低限の所得を保障する制度を議論せざるをえないと思います。
〇年金、住宅…安倍政権「70歳定年制」で生活はどう変わるのか~この政策について、“からくりがある”と指摘するのは経済評論家の加谷珪一さんだ。「70歳に継続雇用年齢が引き上げられれば、5年ぶん現状より収入を多く得ることができるとも考えられます。しかし、裏を返せば、政府は『70歳まで年金は支給しない』という政策を掲げたも同然なんです」…「当初は60歳から年金支給でしたが、’18年度中に65歳支給へと移行するための最終段階がスタートします。移行が完了して間もなく、政府と財務省は、68歳に引き上げるでしょう。68歳支給に完全に移行した段階で、今度は70歳支給になるわけです。そのうえで、いまの50代が実際の受給年齢を迎えたときには、現在の見込み額よりも少なくなることを想定しなければなりません」…「政府は68歳、70歳に支給年齢を引き上げた際には、月あたりの支給額を増やすと言っています。しかし、現在の年金財政や、将来の高齢者人口から見ても、そうなる可能性は非常に低い。受け取る年金は、2割ほど減額されるとみるべきです」
〇資産か廃虚か 日本のマンションの未来予想図 田原総一朗×長嶋修(不動産コンサルタント)対談~どうして修繕積立金を1500円しか取らないの?マンションの購入者は毎月のローンの返済以外に管理費と修繕積立金を支払わなければなりませんが、マンションを売る側は、その部分を限りなく小さくしておきたいと考えるからです。…一般的には1平米当たり毎月200円ほど必要です。例えば100平米のマンションだったら、1年目から毎月2万円ためていれば足りるでしょう。…今、多摩ニュータウンでは若い世代がどんどん出ていって高齢者ばかり住んでいる。人口減少と少子高齢化のせいです。多摩ニュータウンも全部がだめなわけではありません。駅前や駅近は建て替えしたりして新しい人も入ってきています。でも、ちょっとバスで行くようなところは、1棟50戸の中に5戸とか10戸しか人が住んでいない建物がたくさんある。これが全国に広がりそうです。…切り捨てられる街や地域が出てきます。マンションも同じ。いくつかの自治体は思い切って街を縮めています。例えば、岐阜県岐阜市や千葉県流山市などです。誰かが悪者になってメリハリをつけるしかありません。
〇アルツハイマー型認知症、元来の性格や人間性は変わらない~まず、アルツハイマー型認知症は、人格が変化する病気ではありません。脳の機能低下により徐々にできないことが出てきて生活上の失敗が増え、そのことで不安になって、一見人が変わったように反応することもありますが、その奥にある元来の性格や人間性は変わらない。大切にしたいことや悲しいこと、嫌いなことも元来のままです。家族こそ、そのことを忘れてはいけません」そしてアルツハイマー型認知症の場合は、かなり進行してからも理解力や判断力は維持されることが多いという。…何より驚かされるのは、認知症研究が進む今、一人ひとりの認知症の進行が緩やかになる傾向にあるのだという。
〇中高年男性が軒並みハマる「孤独」という宗教 日本は世界一の「不機嫌大国」だ~国立社会保障・人口問題研究所が今年8月に発表した調査では、65歳以上の高齢者で1人暮らしをしている男性の15%(女性は5%)、およそ7人に1人が、会話の頻度が2週間に1回以下であるという結果だった。また、65歳以上で一人暮らしの男性の30.3%(女性は9.1%)が「日ごろのちょっとした手助け」で頼れる人が「いない」と答えた。…生涯未婚率もうなぎ上りで、単身世帯も増加する中、長期的に孤独の人が増えれば、日本は不寛容な社会へと変質していく可能性がある。社会は冷笑的になり、人嫌いが増える。ある調査によれば日本社会は「積極的に社会とかかわる」「深く考える」という人が減り、「社会とは一定の距離を置く」「刹那的に生きる」という考え方に振れる人が増えている。高齢者クレーマーの増加など「不機嫌な孤独社会」の萌芽はそこかしこに見えている。…つながり欲求は人間の根源的な生存の知恵である。「つながりたい」、でも、どうしたらいいのかわからない、居場所がない、そういう子どもたちに必要なのは、「君たちは決して一人ではない」というメッセージであり、彼らが安心してささやかなつながりをつくることができる居場所ではないだろうか。…日本は1ミリの『ずれ』も許さない同調圧力の強い社会だからこそ、そこで我慢し、適応できない人をはじき出し、孤独な人を量産する仕組みになっている。何かあれば『自己責任』『我慢』で済ませようとする大人の犠牲になっているのが子どもたちだ」と語気を強める。
〇年金支給開始年齢「68歳」なら「65歳引き上げ」時の比ではない深刻さ~支給総額が数百万円減らされるうえに、自力で稼ぐ手段は限られる。政府は企業に65歳までの雇用延長を義務づけたものの、再雇用で働く社員の半数以上は非正規だ。給料は現役時代より大きく下がっている。しかも体力的にも「65歳まで働く」と「68歳、70歳まで働く」では負担が明らかに違う。5年間の年金空白を食いつなぐのがやっとの実情なのだ。
〇減らぬ介護離職 「在宅」シフト政策を改めよ~介護離職の10万人近くでの高止まりは、地域包括ケアシステムが絵に描いた餅になっていることを示すものだ。そろそろ「在宅」シフトから転換すべきときであろう。社会の支え手が激減していくことも勘案すれば、むしろ少ないスタッフ数で患者や要介護者に効率よく対応できる態勢を組んでいくことのほうが現実的である。社会保障費の抑制ペースが落ちたとしても、トータルでは歳出削減が進むことだろう。高齢者の「高齢化」が本格化する前の政治決断が求められる。
〇金利上昇の「Xデー」で住宅価格は下がる 15年後の空き家率は2倍の30%~「長期金利の借り入れはできるだけ早く固定化したほうがいい。もし、変動金利で住宅ローンを組んでいるならなるべく早い段階での借り換えや繰り上げ返済を検討することをおすすめします。仮に金利が下がったとしても、下がり幅はわずかでしょう。その半面、金利の上昇局面にきたら大きく上がる可能性があります」…「各国の政府債務残高と長期金利を見ると、日本だけが異常値を示しています。政府債務残高に対して、長期金利が低すぎる。これまでは国内の金融資産残高が国債発行残高を上回っていたため、日銀が国債を買い占めることで、低金利を維持してきた。しかし、今後は高齢化による貯蓄の取り崩しが進み、国内の金融資産残高が減ってくる。財政再建の進み具合にもよりますが、早ければ、2020年代半ばにかけて、大きく金利が上昇する可能性があります」
○林立タワマン武蔵小杉の死角 保育所不足、吹き荒れるビル風~タワーマンションのデメリットをあげれば、キリがなくなる。何よりも、そこに住んでいない近隣住民にとってはその存在自体は迷惑そのものでしかない。…駅は人であふれ、子どもたちは建物の中に閉じ込められ、ビル風が地上を吹き荒らすタワーマンションの街、武蔵小杉。この街にタワーマンションが建ち始めたのは、ここ10年少しのことである。…実のところ、タワーマンションは災害に弱い。地震や水害などで電力供給が途絶えれば、そこで生活を営むことはほぼ不可能になる。エレベーターや水道が使えなくなるからだ。…不動産市場的に見ても、危うさが浮かび上がる。これらのタワーマンションには空室が多い。新しく竣工したタワーマンションも、完成直後から大量の売出し物件が流通市場に出ている。値上がり期待で購入した人が多いのだろう。
○「未婚男性は悠々自適」という大いなる誤解 可視化されていない「独身税」の重荷~日本は2015年時点で単身世帯比率は約35%に達しており、もはや決してマイノリティとは言えない規模です。…単身男性の負担率が圧倒的に高いことがわかります。2015年には実支出に占める割合が34%近くまで上昇しています。…独身人口は確実に増加します。単身世帯以外も含む全独身消費市場は、私の試算では、2020年に100兆円を超え、2030年には家族の消費額を抜きます。今後は独身の消費力が市場経済を左右します。
○リゾート地「負動産」の末路 有料で引き取る業者も~つまり「負動産」を引き取るビジネスは、最終的に誰も管理費や固定資産税を支払わない状態へ移行させることが目的、である場合が十分に考えられる。「負動産」を有効活用するのではなく、単に所有のコストを管理組合や行政に押し付けるだけ。もしそうなら、何とも犯罪的ではないか。
〇ダウン症の姉より健常な弟が… 49歳独身男性が抱える“きょうだいリスク”とは~「親亡き後、むしろ気がかりなのは、健常な弟の方です」
〇年金目当ての子から逃げ…増える経済的虐待からの「老人ホーム避難」~「2000年の介護保険制度の導入によって、行政サービスの大部分が民間に委ねられたのと同時に行政が高齢者の状況を把握しづらくなった。介護保険サービスを実際に利用している高齢者は全体の2割に満たない。その他8割の『動ける人の問題』にも目を向けなければならない」その最たるものの一つが、住宅問題であることは間違いないだろう。
〇なぜ消費は活性化しないのか-活性化を阻む6つの理由~1 経済不安の強まり~現役世代の厳しい雇用環境や社会保障不安、高齢者の生活防衛意識の強まり 2 高齢化の進行~世帯当たりの消費額が減り、賃金増の影響を受けにくい高齢世帯の存在感 3 消費社会の成熟化~商品・サービスの低価格化や高機能化、シェアでお金を使わなくてもすむ 4 価値観の変容~消費欲求の弱まりとスマート消費で消費性向の低下、使わないことが格好良い? 5 欲しい商品・サービスがない~子どもの教育などインフレ気味の市場も、見せ方の工夫で売れるものも? 6 消費統計上の課題~シェア消費やケータイ払いなど、十分に捉えられていない消費も
〇年金財政は破綻しないが給付水準は下がる 毎年「仙台市」が消えていく~今後、さらに大きな懸念は、非正規雇用が増え、年金保険料を納めてこなかった人たちが増えることだ。最も大変なのは高齢者人口がピークに達する42年。この時期に高齢者になる人たちは、意欲も能力もあったにもかかわらず、就職氷河期で働きたくとも働けなかった世代。社会に翻弄されたような人たちが高齢者になるとき、その世代をどう支えていくべきなのか。74歳以下の人たちを“若者”として労働参加を促していく取り組みも必要となるだろう。
〇「実家暮し独身」が30年で3倍超になった理由 低所得と介護離職が親元未婚を加速させる~親元未婚急増の原因は「経済的貧困で親に依存する子どもが増えた」だけではなく、ちゃんと仕事もし、もともと経済的に自立していた未婚の子が、親の介護のために同居を余儀なくされる場合もあるのです。
〇高齢ひとり身がぶち当たる『身元保証人』の壁 心の中で叫んだ「死ねというのか!!」~人は誰でも年をとる。年をとればとるほど限りなくひとりになる。2035年、東京では65歳以上の高齢世帯の4割がひとり暮らしになると予測されているのに、身内の「身元保証人」をたてないと、家も貸してもらえないのは問題ではないだろうか。
〇保育園「安すぎる認可保育料」という根本問題 「待機児童ゼロ」は、どうして難攻不落なのか~だが不思議なことに、こと保育に関しては、需要が増加しても、簡単に保育園が増えるとはならない。その要因として、これまで保育士の不足や女性の社会進出、都市部への人口集中などがあげられてきたが、鈴木氏は本書でひとつずつ反証をあげてこれらを論破していく。そして需要と供給のメカニズムが機能しない現行の保育制度こそが、待機児童問題の根本的な原因であると看破するのである。…現行の生産緑地法の制度がはじまった1992年に生産緑地の指定を受けた農地は、30年後の2022年に制度の期限を迎えるという。生産緑地指定が解除されると税制面などでの優遇措置がなくなるため、地主たちが一斉に土地を売りに出す事が予想される。これを「生産緑地の2022年問題」と呼ぶそうだ(不勉強で知らなかった)。そこで、保育園に土地を貸し、生産緑地内に建てることを条件に、さらに30年の優遇措置を認めるというのが著者のアイデアである。
〇新興国を襲う高齢化の波、時すでに遅しか 豊かになる前に高齢化にのみこまれる新興国の運命は~年金生活者に対する労働者の比率低下に伴い、社会保障制度の財源不足は年々深刻化している。国連の予想では、ブラジルのような高中所得の新興国における年金生活者1人当たりの潜在労働者の数は2015年の7人から、2050年にはわずか2.5人に減少する。…女性1人が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)が6人超から3人未満に減るのに、英国と米国ではそれぞれ95年と82年を要した。だがトルコはこの変化が起きるのに27年、ブラジルは26年、中国はわずか11年しかかからなかった。
〇人手不足続くコンビニ、週4夜勤の経営者も~人を雇うのが最も難しい深夜の時間帯に自ら働くことで、経費増加を防ぐ狙いだ。…少子高齢化が進む中、コンビ二産業は人件費の高騰と消費者市場の縮小という二重苦にさらされる。労働市場が逼迫(ひっぱく)し、最低賃金が上昇する中、生産性の向上は重要課題だ。…コンビニ加盟オーナーの組合活動にも携わる酒井さんは「本当の意味で店を休んだことはこの13年間ない」と述べ、「自由な時間が本当は欲しい」と本音を漏らした。
〇スマホを捨てれば子どもの偏差値は10上がる 「ながら勉強」が子どもに与える深刻な影響~2017年度の最新データで4教科の平均偏差値を計算してみたところ、LINE等をまったく使わない群が50.8だったのに対し、1時間未満の群は50.2、同1~2時間は47.7、同2~3時間は45.1、同3~4時間の群は43.0、そして同4時間以上は40.6となっていた。偏差値で10以上の差が出る結果となったのだ。…ゲームに限らず、学習中に音楽を聴いても、LINE等を操作しても、成績は大きく低下していた。また操作するアプリの数が多ければ多いほど、成績が低下することも判明した。
〇年金開始、70歳超も選択肢 政府が高齢社会大綱~70歳を超えた部分のみ0.7%より高く設定する案と、上乗せ率全体を引き上げる案が浮上している。年齢の上限設定は平均寿命の伸びや想定する利用者の規模、財政負担などを踏まえて検討する。…現行制度では上限の70歳まで受給開始を遅らせれば月額で42%増える。現在の0.7%の上乗せ率で試算した場合、75歳まで遅らせれば84%と大幅な増額になる。
〇高齢で活力衰える「フレイル」、国内250万人が該当か~フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty(フレイルティー)」からきている。健康と要介護状態の中間的な位置づけで、主に体重の減少や握力の低下といった項目がある米国の基準で判定されてきたが、日本人の実態はよくわかっていなかった。
〇知られざる地雷、「マンションの駐車場」問題 行政の「付置義務」が解決を難しくしている~高齢化の進展でクルマを手放す住民が増える一方、若者のクルマ離れで新たに駐車場を借りる住民は減っている。このためマンション内の駐車場で空きが目立ち始めているのだ。山本さんのマンション敷地内には機械式立体駐車場が54台分設置されているが、すでにうち15台が空いている。…つまりこのままでは、20年後に駐車場の更新だけで住民1戸当たり60万円超の一時金が必要になるというわけだ。…千葉県浦安市では、100戸以上のファミリータイプのマンションにおける付置義務は住戸に対し100%以上、来客用も5%以上が必要となる。この場合、たとえ住民の半数以上が駐車場を使っていなくとも、1台でも駐車場を潰せば付置義務を満たさなくなり、建築基準法違反になる。そうなると将来の増設や建て替えなどが不可能になってしまう。…国土交通省は2017年末に商業ビルや事業用ビルに対しては、付置義務台数の緩和に乗り出した。この背景には、付置義務制度により需要を超える駐車場が設置され、明らかな歪みが生じていることがある。これはマンションに関しても同じことがいえるはずだ。今回の指針をまとめた国土交通省都市局は「マンションに関して問題が起きているとの声は(国交省に)届いていない」と言い切る。何らかの対策を講じる必要があるのではとの問いに対しても「各自治体が考えるべきもの」と素っ気ない。
〇年金13万円、生活苦に悩む高齢者たちの実情 生活保護を受けることすらできない~定年まで働いたのにもかかわらず、余裕がない生活を余儀なくされているのは、もらえる年金が少ないから。ひとたび病気や介護をきっかけに費用の負担が増えれば生活が成り立たなくなる……。介護破産“予備軍“の1つはフサエさんたちのような、年金受給額が低い高齢者たちだ。…現役世代6713万人の保険料収入は37兆6000億円。これに対して、年金受給の高齢者は3991万人で給付総額は53兆4000億円(いずれも2014年)。保険料収入よりも給付額が上回っている状態だ。給付額の不足分は、国庫(税金)から補塡し、さらに保険料の一部を「年金積立金」として保有して、一部を運用しながら切り崩している。…年金受給者3991万人のうち、約4分の1が生活保護の基準以下で生活する”隠れ貧困層”といわれる。
〇「非正規ミドル」の増加が日本経済を崩壊させる~しかし、だまされてはいけない。雇用の中身を総務省の労働力調査で見てみると、安倍政権が誕生してからの4年間で増えた雇用者数の、実に9割が非正規労働者。年収200万円以下の働き手も増加し、ワーキングプアの問題は何ひとつ解決していない。…2016年の労働力調査では、7年連続で増え続けた非正規労働者が2023万人に達し、その割合は労働者全体の37.5%。このうち、働き盛りであるはずの非正規ミドルの数は386万人にも及ぶ。バブル崩壊後に労働市場に入った非正規ミドルは、新卒時に就職氷河期を迎えた世代と重なる。
〇貧困世帯と非困窮世帯の子ども、差は10歳が境目…低学力の固定化も~日本財団は調査結果から、貧困を背景とする学力の差については、格差が拡大する小学校低学年時から支援を行う必要ことが必要であること。生活習慣や非認知能力については、学習の土台となる非認知能力の育成が重要であると結論付けた。…日本財団は、子どもの貧困対策として「家でも学校でもない第三の居場所」づくりを進めており、箕面市もこの趣旨に賛成。
〇「教育は平等なんかじゃない」 “学びの貧困”に苦しむ若者たち~憲法で「教育を受ける権利」が保障されている日本。国は「読み書きできない人はほとんどいない」としてきた。しかしNHKの調査で、小中学校に通えず義務教育からこぼれ落ちてしまった若者たちが少なからずいることが明らかになった。「平方メートルやミリリットルの意味が分からない」、「30%オフや2割引きの計算ができない」、「漢字が読めず薬の飲み方が分からない」。学べないまま大人になり、生活にも支障をきたす状態。それを私たちは「学びの貧困」と呼び、その実態を取材した。(NHK クローズアップ現代+)
〇「生活保護バッシング」がやまない本質的理由 「陽のあたる家」さいきまこさんに聞く~「このままでは世間はずっと生活保護を誤解したままだ」と思い、将来の自分の備えのためにも、生活保護制度の仕組みや、受給者の姿を漫画で描こうと思ったんです。
〇広がる「観光公害」へ対策を急ごう~観光客は世界中で増えている。欧州では反観光運動が起こり、受け入れ抑制に乗り出す都市も現れた。民泊の普及で空き家が減り家賃が上昇したことも反観光ムードを生んでいる。外国人観光客が急増した日本でも摩擦や弊害への対策は急務といえる。
〇節税どころか破産する「タワマン購入」「アパート経営」の悲惨な最期 小手先の対策が命取りに~タワマン節税にも増して、多くの識者が、「絶対にやってはいけない」と口を揃えるのが、「アパート経営」である。
〇「スマホではない世界には戻れない」人手不足で介護にもIT化の波~介護付きホーム「アズハイム練馬ガーデン」(東京都練馬区)で働く南弘貴さん(26)は、手のひらのスマートフォン1台で、入居者の24時間の状況を把握する。入居者が寝ているのか起きているのかが瞬時に分かり、介護記録の入力や閲覧も可能だ。
〇増え続ける無縁遺骨 生前相談、空き家予防にも~国の研究機関は65歳以上の単身世帯比率が35年に約38%まで高まると推計しています。少子高齢化がすすむ台湾では、市民の寄付により、身寄りのない人の合同葬儀をする取り組みが始まりました。
〇老後保障と企業年金(退職金)の役割期待~公的年金の給付額が縮小し、退職給付も不確実(給付減額の可能性がある)な中で、国民は各々の自己責任で老後に備えなくてはならない。ただ、自己責任の比重を大きくすることは社会保障制度を脆弱にし、社会が不安定化するリスクもあることを忘れてはならない。そのことを如実に表しているのが生活保護の受給者世帯数のデータである。2004年度には、全ての生活保護受給世帯に占める高齢者世帯の割合は46.7%になっており、高齢者の生活保護受給者が多い実態が明らかになっていた。2017年4月時点では、それが52.7%にまで増加している。生活保護世帯数は2004年度 997,149世帯から2017年4月現在1,629,695世帯と1.6倍に増加している中で、高齢者の受給割合が高まっている。社会保障制度はすでに脆弱化しつつある。
〇年金受給要件の緩和だけでは不信拭えぬ~無年金者減らしに歩を進める制度変更だが、これだけで若者を中心に渦巻く年金への不信感を拭えるわけではない。…国民年金の保険料未納率は30%台半ばと高水準だ。免除者などを合わせた実質未納率は60%近い。
〇完全に"詰んだ"「貧困高齢者」が爆増する 職なし貯蓄なし年金なしの三重苦~「高齢者は裕福だ」というイメージはもう間違いだ。高齢者が裕福だったのは「団塊の世代」の以前まで。50歳代では5割近くが「国民年金未納」となっており、この先「無年金」や「低年金」のまま退職することになる。10年後には「職なし貯蓄なし年金なし」という三重苦の高齢者が大量発生することになる――。
〇買い物弱者対策、積極的に=関係府省へ通知-総務省~総務省によると、買い物弱者対策を主に担う所管府省は決まっておらず、府省間の連携も深まっていない。買い物弱者の定義も明確ではなく、農林水産省は372万人程度、経済産業省は700万人程度とばらばらに推計しているのが現状だ。
〇“負の遺産”空き家を手放すなら2018年までが勝負~少子高齢化により、今後は家を買いたい若者がさらに減り、売りたい高齢者が増えるため、売買のバランスが崩れ、2023年には空き家率が約20%、2033年には約30%になると予測されている(野村総研調べ)。つまり、放置して時間がたてばたつほど、どんどん売れなくなるのである。
〇日本のミレニアル世代、10年後の年収予想430万円 国内経済にも悲観的で「改善する」は18%どまり~世界が直面する課題で関心の高い事項について複数選択で聞くと、日本のミレニアル世代では「高齢化・人口推移」(35%)、「所得の不平等・富の分配」(31%)、「テロリズム」(29%)が高くなる一方、先進国のミレニアル世代では「戦争、テロリズム、政治的緊張」(56%)が最も高くなるなどの違いもあった。
〇高齢者優遇と医療費拡大、悪いのは誰だ?医療政策学の若手論客・津川友介氏に聞く~「シルバー民主主義」というのは、日本によくあるラベリングではないでしょうか。言葉が独り歩きしています。若者が選挙に行かない問題などは、なかなか解決が難しいですよね。そもそも、それが本当に問題なのかと考えてみる必要もあると思います。…むしろ、「シルバー民主主義」とラベリングすることは、世代間対立をはっきりさせ、高齢者を悪者扱いしてしまうことにつながるのではないかと危惧しています。それは、あまりいいやり方ではないでしょう。
〇金沢市「待機児童ゼロ」だけど… 保育士足りず 希望入所難も~国の基準では「待機児童ゼロ」の市だが、入所難が目立ってきた。働く女性の増加で保育需要はさらに高まる見通しだが、保育現場からは「保育士が足りない」と切実な声が上がる。
〇人生100年時代のオヤジの生き方~実は、厚生労働省が実施した国民年金と厚生年金の財政検証(平成26年)においても、メインシナリオでは65~69歳の64.7%が働き続ける前提で計算しています。つまり、国も今よりも多くの人に65歳以降も働け、と暗に言っているのです。少子高齢化によって生じている勤労者数と高齢者数のアンバランスを修正するには、高齢者の定義を変えて、今まで高齢者と見なされていた人たちにもっと長く働いて保険料を納めてほしいのだと思います。老後も働き続けることは、自分の生活を守ることに直結するのはもちろん、公的年金の問題を軽減する効果もあり、若い人たちのためにもなるのです。
〇「いつまで働きたい?」定年延びる高齢者“現役”希望はどのくらいいるのか~「働けるうちはいつまでも」(28.9%)が約3割と最も多く、次いで「65歳くらいまで」、「70歳くらいまで」がそれぞれ16.6%で、働くことを希望する高齢者は71.9%に達していることがわかりました(グラフ1)。では、雇用状況はどのようになっているのでしょうか。雇用者数の推移(全産業)をみると、15年時点で60~64歳の雇用者が438万人(前年比9万人減)、65歳以上の雇用者458万人(前年比44万人増)となり、65歳以上で雇用されている人数が60~64歳台を初めて上回りました。…男性の会社などの役員を除く雇用で、非正規職員・従業員比率は55~59歳台で14.3%ですが、60~64歳(57.1%)、65~69歳(74.4%)と、60歳以上になると大幅に上昇します。女性の場合は、非正規職員・従業員比率が55~59歳で6割以上に達し、60~64歳(76.5%)、65~69歳(78.0%)と、こちらも60歳を超えるとさらに割合が増加しています。
〇シェアハウスから足を洗えない!貧困にあえぐ若者の劣悪住宅事情~「本当はアパートに引っ越したいけど、初期費用が払えないからシェアハウスに住み続けるしかない」
〇30代と40代の約8割が「将来に不安を感じる」一方で、貯蓄額は二極化「50万円以下」が53.7%~「不安に感じている」と回答した人の割合を年代別に見ると、20代が63.0%、30代が77.0%、40代が81.5%、50代が76.5%で、40代が最も高かった。
〇進行する結婚離れ 一番の理由は「お金が無い」~国立社会保障・人口問題研究所が公表した「2017年版 人口統計資料集」によると、生涯未婚率が男性で23.37%、女性で14.06%であることがわかった 。…「結婚意思のある未婚者に、一年以内に結婚するとしたら何か障害となることがあるか」を尋ねた調査結果によると、男性で43.3%、女性で41.9%が「結婚資金」という回答だった。
〇日本の中高年男性は「世界でいちばん孤独?」 国が抱える深刻な病、その原因とは~世界の先進国が加盟する国際機関OECD(経済協力開発機構)の2005年の調査によれば、「ほとんど、もしくはまったく友人や同僚もしくはほかの人々と時間を過ごさない人」の割合は日本の男性では約17%(女性は14%)で、21カ国平均の3倍近い。もちろん調査21カ国の中ではダントツのトップだ。
〇一生独身でも平気な人を調査 60代で決意が揺らぐ結果に~全国の未婚の男女617名に調査を行なったところ「一生独身でも平気だと思う」と回答したのは4割強。 年代別では未婚者がまだまだ多い20代がもっとも低く、30~40代は40%代で推移。50代になると6割超えと一気に増えるものの、60代以降ではぐっと下がることに。
〇生涯未婚率、男性23%・女性14% 過去最高~50歳まで一度も結婚したことがない人が2015年に男性で4人に1人、女性で7人に1人いたことが、国立社会保障・人口問題研究所の調査で分かった。
〇国際比較で浮かび上がる日本の財政悪化の原因とは?~平成29年1月に公表された内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」によると、2020年度の基礎的財政収支の赤字が8.3兆円となることが示され、黒字化目標の達成が難しい見通しとなった。…1990年代以降の日本の財政収支の変化とその特徴を国際比較で明らかにし、政府債務増大の原因について検証を行った。その結果、他国との比較では税収が大きな要因であると判明した。
〇韓国経済の深刻な現状 15~29歳の若者の失業率は12.3%~若者たちには仕事がないだけではない。韓国国民年金公団の統計によると、25~29歳の男性53%、30~34歳の男性36%が年収2400万ウォン(240万円)以下だという。仕事が少なく、給料も低い。そうなれば当然、結婚しようとする若者は減らざるを得ない。…OECDの資料によると、日本の高齢者の貧困率は19.0%だが、韓国は49.6%だ。
〇失職者が就職者超える 韓国で事実上の失業者が増えるワケ 16年から「定年60歳延長法」施行~若年層の失業率は4年連続で上昇し、16年11月時点で10.7%に達した。16年から定年60歳延長法が施行されて、法定定年は55歳から60歳となり、人件費の負担が急増した企業には新規雇用の余裕がなくなった。2月の卒業と同時に失業者となる新卒者はかなりの数になると見込まれる。
〇家族と一緒では生きづらい…超高齢化社会にひそむ「本当の問題」邪魔者扱いされていく高齢者たち~80歳の老女が、3世帯住宅に居場所を失い家出をする異色のマンガ『傘寿まり子』。この作品を読んでそう語るのは、ベストセラー『下流老人』の著者で、NPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏だ。
〇「空き家」法改正 高齢者を拒まない社会へ~国土交通省が一昨年実施した家主約27万人に対するアンケートによると「高齢者の入居に拒否感がある」と回答した人は70・2%に上った。実際に単身高齢者や高齢者世帯の入居を「拒否している」と答えたのは13・4%だった。
〇高齢者の「医療費負担」は来年度から重くなる 長生きが「コスト」になる時代がやってきた~2016年度当初予算では、社会保障費が約32兆円で3分の1を占め、1990年と比べると約3倍にも膨らんだ。社会保障費が毎年1兆円規模で増加している中、社会保険料収入は横ばいで推移しているため、その多くは税金と借金で賄われている。少子高齢化は今後も止まることはなく、財政は一層深刻化することが予測される。…2015年の総務省の家計調査によると、年金世帯の平均的な毎月の暮らしは、実収入21万3379円に対し支出が27万5706円で、差し引き月6万2327円の赤字だ。多くの老夫婦は貯蓄を切り崩す生活である。実収入のうち社会保障給付は19万4874円で、支出のうち税や社会保険料など非消費支出は3万1842円だが、特に保健医療には1万5405円かかっている。中長期的に政府の方針によって、年金の減少や社会保険料や医療費の増加があれば、この赤字は増える一方になる。…少子高齢化で医療費が膨張する一方で、保険料収入が伸び悩めば、患者負担を増やしていかざるをえない。後に続く現役世代はさらなる老後資金の確保が必至となるだろう。
〇社説:県の健康寿命対策 目標実現の具体策示せ(秋田)~直近の調査によると、本県の健康寿命(13年)は女性が75・43歳で全国3位と高い半面、男性は70・71歳で39位と低位にとどまっている。…健康寿命を延ばすには運動、食事、飲酒などの生活習慣をバランスよく改善することが大切とされる。
〇「1億総活躍社会」の知られざるリスクに対処する働き方とは~なぜ共働き世帯の増加が不登校者数に影響を及ぼすのか。…基本的信頼感を育むには、生後2歳くらいまでにたくさんのスキンシップと、無条件の愛情を惜しみなく注がれることが必要なのだが、この期間に保育施設に預けられてしまうとどうなるか。…どうにか不登校にならずとも、人付き合いは苦しいものなので、大人になって元気に働くのは困難だ。ニートになるか、うつ病など心の病を患う可能性が高い。
保育士の激務は年収323万では割に合わないこのままでは、さらに保育士が足りなくなる~賃金を上げれば保育士が確保しやすくなるとは限らない。保育の現場には長時間労働になりやすい構造があり、サービス残業や仕事の持ち帰りが常態化しがちだ。
〇74歳までは働け、と? 高齢者「定義引き上げ論」のその先~厚生年金の支給開始年齢は段階的に65歳に引き上げられるなど、高齢者には厳しい環境になってきており、「これ以上厳しくなったら、どう暮らせばいいのか」との声も多い。生活に困窮する「下流老人」の増加も社会問題化している。
〇貧困への落とし穴はあらゆる家庭に。現実から目をそらすな~子どもの貧困には、背景があります。本当の背景は親の貧困であり、『親がなぜそこまで貧困なのか』ということです。…感想でも意見でもなく、「誰もが自ら老後に備えなくてはならない」ということは、もはや事実として日本に定着しつつある。…個人単位ではなく、多くの人が老後に貧困になる社会をどうにかしなくてはいけないはずですが、そこにスポットライトが全く当たっていません。…今の日本の基本、これからの日本の方向性の基本は、『社会保障のすべきことは家族でやってくれ』でしょう。
〇2035年、日本の人口の半分は独身者に!「超ソロ社会」でどう生き抜く?~20年後には15歳以上の全人口に占める独身者(未婚+離別・死別者)数が、男女合わせて4,800万人を突破し、全体の48%を占めるようになる、と推測している。
〇「逆差別」の女性批判、認識甘い 男性ジェンダー研究者が対談~そういう意味で今の「女性活躍推進」はちょっとタチが悪い。仕事と家庭の両立が、女性側の問題として議論されがちだ。昨年「保育園落ちた」というブログ記事が話題になったが、背景にあるのは男性の働き方の問題なのに、働く女性の問題になってしまった。
〇「実家=空き家」整理が社会問題化…田園都市線なら保有?東武伊勢崎線は即売却?~「将来の人口減少が激しいエリアの空き家ほど、早急に『売り』です。理由は『今がもっとも高く売れる可能性が高い』からです。」
〇「世界一幸せなデンマーク人」と日本人の違い 働くモチベーションからして全然違う――あまりに福祉が充実していたり、労働時間や意欲にかかわらず賃金が同じだったりすると、働くモチベーションがそがれる気が……。私も同じようなことを考えたことがあるが、実際は違う。…彼らは自主性を持って仕事をしていて、仕事に支配されていない。自分でやることを決めて実践し、その成果を実感することができる。その感覚や達成感が、仕事のモチベーションにつながっているわけだ。…一生懸命働いて200万ドルを稼いだとしても、どうせ税金で持っていかれるので、稼ぐことに重きを置いている感じはしない。所得が一定に達すると、半分は国に持っていかれるようになるからね。…この10年ほどに移民が増えたことで、多様化が進み、非常に興味深いことが起きている。…実際、経済格差は広がっていて、欧州でそのスピードが最も速いのが何を隠そうデンマークだ。…国家財政における社会保障関連費はいまだに年率2%ずつ増えているが、これをそろそろコントロールしなければいけなくなっている。
〇「生涯未婚」の原因は、本当におカネの問題か 「中間層」が消滅しても変わらない男女の意識~1997年においては、20代の男性でも所得300万~400万円台の雇用者の割合が、約25%と最も多かった(総務省「就業構造基本調査」)が、現在では200万〜300万円台が主流になっていて、かつて存在した「分厚い中間層」は消滅している。
〇「老後」が消える日 年金支給開始が70歳なら1300万円の損~「高齢になればなるほど個人の健康に関するデータのばらつきは大きくなります」 基準年齢の見直しは全体でみると正しくても、個々人にとっては当てはまらないことがあるのだ。
〇高齢者「75歳から」社会保障見直しは慎重に~しかし、今は「高齢者65歳以上」でさえ、社会が十分に対応できていない。定年の年齢引き上げに取り組む企業もあるが、ほとんどが60歳までで、給与が少ない嘱託の身分での再雇用が多い。老後の貧困が問題になっており、社会保障費を削減する改革だけを先行することがあってはならない。
〇マスコミが伝えない年金不信 回答者全員「掛け金は返ってこない」~高齢者の定義が75歳になれば、国民年金の支給開始年齢を現在の65歳から75歳に遅らせることができる。60歳で定年を迎えた後、もう15年、どうして食べてゆけというのだろうか。会社勤めで体を酷使してきたサラリーマンが75歳まで働けるだろうか。
○老後破産を防ぐには、やっぱりアレを使うのが一番です!「なんとかなる」は大間違い~総務省の家計調査データ(2015年)では、高齢で無職の夫婦2人世帯の平均年収は256万円、一方、年間支出は331万円。年間収支はマイナス75万円となっている。…さらに衝撃なのは年金の手取り額は年々減っているということ。…ほとんどの人は60歳から65歳まで再雇用で働くことになる。…定年前の年収の3分の1前後と心づもりしておく必要がある。…赤字分の資金の出所は、退職金や老後資金だ。…65歳で年金だけの生活に入る頃には老後資金はずいぶん心許ない金額になる。
○サラリーマンを待ち受ける「現実的な未来」 年金、再雇用、70歳定年……~実際、年金が70歳からの支給開始にズレるとなれば、それに合わせて、70歳まで働くのが当たり前の世の中になるのは十分ありうる未来である。そうしなければ、年金が開始されるまでの間に生活できなくなる人が続出し、社会保障費が膨らむ。国は是が非でも企業に協力を求めるだろう。
○「失政」の今後~公費投入50億円 鹿児島・松陽台県営住宅への疑問(5)~所得制限を設けた低所得者向け住宅としながらも、月収50万円以上の世帯が入居できるおかしな仕組み――。“子育て支援”を謳いながら、保育園も小学校もない周辺環境――。公費50億円を投入した県営松陽台第二団地の、これが現状だ。あらためて、県営住宅増設の是非を問う。…新たに建設された県営住宅は期間限定。入居期間は原則10年で、子どもが小学校を卒業するまでの仮の住まいでしかない。「中学校に上がる前に出ていけ」ということ。鹿児島県にとって、中学生は“子育て支援”の対象ではないのだろう。入居者は、進学に備え一番物入りの時期に、引っ越しを余儀なくされるのである。
○「貯蓄あるのにお金が不安」 働く女性の理由と対策~まずは「自己責任」という考え方をやめてみませんか。国に頼らず、自分たちで稼いで貯蓄をし、必要なサービスを買う。それができなかった人を「自己責任」と切り捨ててしまうと、世の中から格差や貧困、生きづらさはなくなりません。
○この国の年金制度はもう限界? 与野党はいつまで茶番劇を続けるのか いったい誰のための政治なのか~むしろ、歴代政権がこれまで約束してきた「十分な額」の年金を放棄する以外に、「年金」制度を維持する方策がないことを率直に情報開示すべきである。そして、老後の暮らしを守るために自助努力する必要性が増している事実を明らかにすることこそ、国政を担う政治家に期待される役割ではないだろうか。
○10.5兆円の損失も公務員年金はプラス…“年金溶解”の実態~「昨年10月に共済組合と厚生年金は一元化になったはずですが、KKRの年金積立金のポートフォリオ(資産構成)は、国内債券が約62%、国内株式が15%のままなのです。なぜ、国内債券の比率をGPIFにそろえないのか、KKRに問いただしてみましたが、『債券の売却に時間がかかる』という答えでした」国民の年金をギャンブル運用につぎ込んでいるのは公務員なのに、公務員の“虎の子のお金”を守っているのだとしたら、断じて許しがたい。総務省より、’15年度の独立行政法人役職員の報酬および給与水準が発表されたが、99法人中、理事長らの年間報酬が最も高かったのは、なんとGPIF。年収3,131万円で突出していたという。ここまでくると開いた口がふさがらない。