街づくりと少子高齢化をテーマに情報を追う!交通利便性と生活利便施設の問題が大切!
〇「救急車を呼んでも来ない!?」少子高齢化の先にある恐ろしい未来をマンガで学ぶ『未来の年表』~本作は爆発的にヒットした『未来の年表』(河合雅司/講談社)の内容を分かりやすくコミカライズした1冊。主人公であり水先案内人「MIRAI」が、人口減少問題を軽くとらえる登場人物たちを未来へ連れていき、今から十数年以内に起こる現実をリアルに体感させていく。「本を読むのは苦手だけど、マンガなら興味あるかも」「流行した年表シリーズが気になっていたけれども、まだ読んでいない」という人にピッタリだ。…また、現在は便利だと感じている「ネット通販」も、配達事業者で人手不足が頻発するため、迅速な荷物運搬が困難になる。街の自動販売機の缶ジュースさえ補充が難しいかもしれない。「AI技術の発達でこれらの問題は解決する」と漠然と考える人もいるだろうが、そのAI技術者の数も不足するようになるので、開発スケジュールには相応の時間を要するのだ。…現実問題として日本の人口は、夫婦が2人以上の子どもを産まない限り、回復できない。だからこそ「戦略的に縮む」という考え方が必要だ。たとえばコンビニをはじめとする24時間営業は便利だが、今後キープするのは厳しいだろう。ネット通販による即日配送などのサービスも同様だ。これからはある程度の不便を受け入れ、不必要な労働力を減らし、救急隊や介護士など本当に必要な場所に労働力を割り当てる施策が要るだろう。
〇なぜ千葉県流山市は、資産価値の下がらない街づくりと子育て世代のブランディングに成功したのか?~現在、流山市の人口は約19万4000人(令和元年11月現在)で、年4000人から5000人のペースで増加。人口増加率は、千葉県の自治体で6年連続1位をキープしているそうだ。すべての世代での転入超過数も、全国の自治体のなかで8位(平成30年)と好位置につけている。…前出のように、TX開通によってどんどん緑地が失われていくなかで、緑を回復するために考えた苦肉の策が「流山グリーンチェーン戦略」だった。この戦略の一環で「流山グリーンチェーン認定制度」を設けたという。…この制度の狙いは、端的には接道面に一定の高さの木を一定間隔以内で植樹すること。道路表面の温度上昇や放射熱の抑制、住宅敷地間の通風確保、地球温暖化の原因となるCO2排出の抑制効果など、7つの指標をベースに評価して認定する。平成18年から始まり、戸建・集合住宅・商業施設を合わせ、令和元年5月現在298件、約6,700戸の住宅に認定実績があるそうだ。…2つ目の戦略は、定住人口の増加を狙い、メインターゲットを共働きの子育て世代「DEWKs」(Double Employed With Kids)に設定し、さまざまな施策を打ち出したことだ。親が安心して共働きをするには、子供を預ける保育園が必要になる。2010年時点で市内に保育園は17園あったが、そこからの10年間(2020年度)で77園まで増える予定だ。今年の春、流山市の保育園数はコンビニの数を超えたそうだ。…なかでも子供を持つ親に大変評判が良い施策が「駅前送迎保育ステーション」だ。これは10年ほど前に流山おおたかの森駅と南流山駅に設置されたもので、このステーションと市内の指定保育園をバスで結んで、園児たちが登園・降園できるシステムだという。…このような施策の結果、流山市の人口構成はわずか10数年で大きく変わった。平成17年は30代後半から40代半ばの子育て世代が極端に少なく、人口構成に2つの山ができていた。しかし現在は人口が4万人も増え、同世代が明らかに増えて山が1つに戻った。短期間で変貌した好例と言えるだろう。
〇欠陥マンション 3800万円だった最上階の資産価値が50万円に~大覚側は、調査で発覚した1000か所以上に及ぶ瑕疵の是正を求めたが、施工した南海辰村建設は「瑕疵はない」と主張し、両者の争いは2010年に法廷へ持ち込まれた。別の住民はこう話す。「売主は希望者に契約解除の提案をしましたが、私たちはマンションに残ることを決めました。売買代金が戻っても、登記費用や不動産取得税など数百万の諸経費が無駄になるからです」
〇JR西終電繰り上げ、滋賀で波紋 遅い終電が売り~終電繰り上げについてJR西は終電後に設備の保守点検を行う作業員の減少に伴う労働環境改善などを理由に挙げる。早ければ令和3年春のダイヤ改正での実現を目指す。…湖南エリアの駅周辺は、京阪神へのアクセスの良さを売り物にしたマンションの建設が進み、住民の増加につながっている。野洲駅近くのマンションに住む主婦(70)は「ここ10年で駅周辺にマンションが多く建ち、人口も増えて街がひらけた」と話す。
〇「年金だけで老後生活は難しい」増加 日銀調査~家計の金融行動に関する世論調査で、6~7月に計5722世帯から回答を得た。年金の支給額について聞いたところ、「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と答えた2人以上世帯は47・3%。単身世帯は61・0%で、最近10年間で最大だった。金融庁の「老後2千万円」報告書問題などで、年金への不安が背景にあるとみられる。
〇「総合力で価値高める」 小樽商大・和田学長に聞く~少子高齢化が進み、学生数は減少の一途をたどる。文部科学省によると18歳人口は全国で2018年に118万人。32年には100万人を割り込み、40年には88万人と18年に比べて25%減少するとの予測だ。
〇東急不、定額相乗りサービス 渋谷と千葉のゴルフ場~実験は16日から2020年1月31日まで、千葉県大網白里市にあるゴルフ場「季美の森ゴルフ倶楽部」の利用者を対象とする。相乗りアプリを手掛けるNearMe(東京・千代田)が、利用者を効率的に迎えに行くルートを選定する。車は5人程度が乗ることができ、料金は目的地まで一律3980円。…2月1日以降は同ゴルフ場と一体開発されている季美の森団地の住民を対象に地域の施設への移動手段として活用する実験を行う予定だ。
〇何だこれ?池袋に登場「謎の赤いバス」誕生秘話 デザインは「あの人」、運行は「あの会社」~11月1日、東京都豊島区は電気自動車(EV)バス「IKEBUS(イケバス)」の出発式を行った。すでに貸し切りバスとして運行を開始しているほか、11月中には池袋駅周辺を巡回する路線バスとしても運行する予定だ。…2016年には区の「まちづくりガイドライン」にLRTの整備が将来構想として記載された。…2020年の東京五輪も控える。区内の主要施設や観光スポットをつなぐ来街者の移動手段が必要となり、建設に時間のかかるLRTを待つわけにはいかない。「今できることをしよう」――。LRTより、まずは現実的な方法として、10台の電気バスを導入して運行することが決まった。…ベース車両の候補として選定されたのは群馬県桐生市の新興企業・シンクトゥギャザー製のEVバス「eCOM-10」。…この車両の特徴は、5軸からなる10個のタイヤだ。タイヤが小さいため床が低く、乗降が容易となる。タイヤやモーターが小さい分、数を増やして駆動力を確保した。定員は16人で、1回の充電で約60km走れる。最高速度は時速19kmと低速だが、池袋の街を眺めながらのんびり周回するには十分なスピードだ。そのeCOM-10のデザインに大きく手を加え、定員22人の「イケバス」という新たな車種に仕立てたのが、JR九州の豪華列車「ななつ星」などのデザインで知られる水戸岡鋭治氏である。…運行時間は10時から19時台で、2系統あるルート合わせて1日に62便が運行する。停留所は11カ所あり20分おきの運行となる。運賃は1回200円。ほかに1日券や2日券も販売される。区では「乗車率6~7割が目標」というが、村瀬代表はもう少し慎重に考えているようだ。
〇路線バスを利用していますか?~ほんの一部ですが、路線バスの初乗り運賃を調べてみました。東京、名古屋、大阪と人口が多い都市部の初乗り運賃は、どれも210円でした。また、通常ですと長い距離を乗れば乗るほど運賃は徐々に上がっていきますが、この3都市は、「均一運賃」となっています。ただし、東京都内でも、多摩地区は対キロ区間制で初乗り運賃は大人180円となっています。調べてみると、路線バスの運賃は画一的ではなく「この区内であれば、均一運賃」「この区域は、対キロ運賃制」など、運行事業者や運行路線によって様々な運賃体系になっていることがわかりました。
〇半年で事故5件、欧州「格安高速バス会社」の実態 ライバル潰しの低価格が過酷な労働招いた?~2013年にドイツ国内の公共交通機関に対する規制が緩和されると、まずはドイツ各地へ路線網を巡らし、その後2015年頃よりフランスやイタリアなどにも拠点を開設、路線網は他国へも急速に拡大していった。格安運賃の路線バス事業は大成功を収め、今やフリックスバスのブランドはヨーロッパ各国で見かけるほどの人気となった。ただし、同社はバスを1台も保有しておらず、路線の設定や価格設定、品質管理や顧客サービスだけを請け負い、バスの運行はすべて、各地域のバス会社へ下請けされている。販売価格のうち、25~30%をフリックスバスが受け取り、残りは運行会社が受け取るという仕組みだ。
〇70代は「来ない」かも…会計学教授が語る「老後対策の原点」~これまで「老後対策」をメインに書いてきました。そして、「老後」というのを「早ければ60歳、遅くても65歳から」と定義しています。というのも、最近、「平均寿命は83歳」とか「第二の人生は長い」とかいった風潮になっていますが、やはり、「しっかり稼いで、しっかり貯められる時期」というのは60歳か、せいぜい65歳までだからです。ですから、「もう『老後』に突入してしまった60代の方」には老後対策についてアドバイスのしようがありません。60代の人向けに、もしアドバイスするとすれば、「もう、『今が老後』なのだから、老後対策からは卒業して、今の人生を楽しみながら生きましょう!」ということになります。
〇医療制度のせい? アメリカの医師や看護師は、約半数が「燃え尽きている」~全米医学アカデミーの最新レポートによると、アメリカでは医師および看護師の35~54%がバーンアウト(燃え尽き症候群)に苦しんでいる。手に負えないほどの仕事量や適切でないテクノロジー、サポートの欠如などがその原因だ。2019年に入って、アメリカでは臨床で働く医師や看護師のバーンアウトが限界に達している。医師のバーンアウトは史上最悪で、看護師は今年の夏、4つの州でストライキを決行した。
〇50年前から分かっていた少子高齢化問題、なぜ回避できなかったのか~例えば、1967年4月27日の「ふえる老人 減る子供 人口問題をどうする 厚相、審議会に意見きく」という読売新聞の記事では、以下のような厚生省人口問題研究所の推計が掲載されている。「総人口は約500万人ずつ増加しているが、これも昭和八十年(一億二千百六十九万人)をピークとして減少に転じる。(中略)昭和九十年には幼少一七%、成人六三%となり、老齢人口が二〇%を占めるという」 昭和80年にあたる2005年の人口は1億2777万人で試算よりも増えているが、昭和90年にあたる2015年の15歳未満は12.5%、65歳以上は26%となり試算よりも深刻なことになっている。我々は50年以上前に現在の「危機」をある程度正確に予見していたにもかかわらず、この50年でそれを回避することができず、しかも予想よりもひどい状況に陥っているのだ。もちろん、過去50年、少子高齢化に対して何もしてこなかったわけではない。政治家、霞ヶ関のエリート、頭脳明晰な専門家らが延々と議論を繰り返して、さまざまな取り組みを続けてきた。が、一方でその努力をすべてチャラにしてしまう誤った政策も50年間続けてきたということなのだ。…個人的には、この員数主義が令和日本のリーダーもドップリととらわれていると思っている。労働者が足りない、じゃあ外国人と女性の活用だ。なんなら元気なシニアも働いてくれ――。こんな調子でいけば、「人口減少」の戦いも先の戦争と同じ結末をたどる可能性が高い。
〇「2050年日本の破局」を防ぐ持続可能シナリオ AIが示す人口減少時代の「地域分散型」の未来~その内容は、財政赤字、少子化、環境破壊など約150の社会的要因からなる因果連関モデルを作り、2050年の日本社会が取りうる約2万通りのシナリオを分析し、日本が持続可能となるためにはどのような対応が必要かを明らかにするというものでした。出てきた結果は、未来の日本の持続可能性にとって「都市集中型」か「地方分散型」かという分岐が最も本質的であり、その分岐は今から6~8年後に生じる蓋然性が高く、かつ人口や地域、格差や健康、幸福といった観点からは「地方分散型」のほうが望ましいという内容でした。…ドイツのエアランゲンという、人口約10万人の地方都市の中心部の様子です。印象的なこととして、ドイツのほとんどの都市がそうですが、中心部から自動車を完全に排除して歩行者だけの空間にし、人が「歩いて楽しむ」ことができ、しかもゆるやかなコミュニティ的つながりが感じられるような街になっているという点があります。ベビーカーを押す女性や車いすに乗った高齢者がごく自然に過ごしている様子がわかります。加えて、人口10万人という規模の都市でありながら、中心部が活気あるにぎわいを見せているというのが非常に印象的で、これはここエアランゲンに限らずドイツの中小都市に広く言えることです。残念ながら、日本での同様の規模の地方都市はいわゆるシャッター通りになり空洞化しているのがほとんどという状況です。…このように考えていくと、令和という時代の中心テーマは、ほかでもなく「人口減少社会のデザイン」ではないでしょうか。
そこでもっとも基本となるのは、昭和(~平成)的な「拡大・成長」志向そして“集団で1本の道を登る”発想から抜け出し、あるいはそこから自由になり、「持続可能性」や個人の創発性に軸足を置いた社会のあり方に転換していくことです。