さぼうる
この間、民報のBS放送で神保町を題材にした番組が放送されていた。飲み歩きをテーマにした番組で、なんと1件目が「さぼうる」だった。私は、「さぼうる」は何度か入ったことがあり、喫茶店という認識しかなかった。しかし、番組ではお酒が飲める喫茶店として紹介されていた。私が、今まで「さぼうる」を訪れたのは日中だけであり、そのためお酒が提供されていることに気づかなかったのだろう。しかし、理由はそれだけではない。「さぼうる」の外観も店内もコーヒーがおいしそうな小さな欧風古民家とでも表現したい造りだからだ。
店内は迷路のような階層構造になっており、穴蔵のようでもある。昨日、立ち寄り先の帰りに神保町へ行った。実は、本当の目的は「ランチョン」の偵察であった。「ランチョン」でビールを飲んで食事した後に「さぼうる」に寄った。場所が、ランチョン」のある靖国通りの向かい側、神保町交差点から奥に一本入った神保町駅の真裏の路地に「さぼうる」と「さぼうる2」が並んでいる。
さぼうるに入ったのは午後8時過ぎで入口で店主(テレビで見ていたのですぐ分かった。確か80歳を過ぎていると紹介されたいたと思う。)からお茶ですか、お酒ですかと聞かれた。両方と答えたら、階段を降りた地下のスペースに案内された。
地下のレンガ壁には、来店客の様々な落書きが書いてあり、いかにも学生街の喫茶店という雰囲気がある。給仕も学生と思われるかわいい女性がお酒と飲み物を運んでくれた。私は、ソルティドッグを注文し、家内はココアを注文した。店内は、ほぼ満席で若者が多く、サラリーマンらしき客もいた。洋楽が流れ、程よい喧噪の中でお酒が飲める。ふと学生時代の気分が蘇ってきた。
現在のランチョン
神保町に来た本来の目的である、「ランチョン」の方は、やはり来てよかったと思った。店に着いたのがもう午後7時近かったため、入口の階段のところで少し待たされた。席に着いて、始めに普通の生ビールと黒生ビールを注文した。やはり、おいしかった。ビールは入口に近い、カウンターの中の壮年の男性が専任でジョッキにビールを注いでおり、これは、40年前と同じスタイルだ。ビールの味を保つためにこうした選任方式が取られているいるのだろう。
料理は、ソーセージの盛り合わせ、鰯の酢漬け、メンチを注文した。少ししてからパンを追加注文した。どれもおいしかった。正直、今回久々に来るまでは、店が昔ながらのビアホールなのか、それともビールがおいしいレストランなのか分からなかった。しかし、店の中を一望すれば、ビアホールそのものだった。
お客の大半は、サラリーマンやOLのグループ客が多かった。正直、店内はかなり騒然としており、大きな声を上げないと会話ができないレベルだった。ランチタイムは、おそらくこんなに騒然としていないのだと思う。夜は、グループで来ておいしいビールを飲みながら盛り上がる場所というのが似合いそうだ。今度は、昼下がりのランチに来てみたい。お酒は、ビールの他に山梨産のブドウで作られた特注の赤ワインのハーフボトルも注文した。癖のないとても飲みやすいワインだった。