ー母との会話ー
母「お前、怒っているのかい!」
伊々代「母さん、今日、都内の宝くじ売り場で宝くじを買ったんだけど、窓口のところに『次はあなたがカモ!』って出ていたの。ちょっと失礼でしょ。だからカモでないことを証明しようと思って宝くじを買ってみたの。」
母「それってお客の闘争心に火をつけて宝くじを売りつける手口だね。商売上手だね。商売人もいろいろ考えるもんだね。さすがだね。こういうのが差別化をはかるってやつね。最近の悪徳業者は、訪問販売でカモリスト使っているっていうから、正々堂々と窓口にカモを呼び込むっていうのはいいアイディアだね!」
伊々代「確かに宝くじをストレートに買いませんかというより効果がありそうね。そう考えると私って軽(カル)ガモかもしれないわね。うまく買わされたわ。」
母「でもさ、これでもし当たれば、いい買い物だったかもしれないよ。人間万事犀がお馬(「塞翁が馬」のこと?)になるって言うだろう。」
伊々代「犀がお馬になるってすごいね。犀を飼うのは難しいけど、馬だったら高く売れそうだしね。宝くじが万馬券になるかもしれないということね!何でも前向きに考えなさいってことか。昔の人はいいことを言うものね。」
次はあなたかも!
-テレビで全豪オープンテニスを観戦している母と娘-
伊々代 「久しぶりね、錦織選手の試合を見るのは!相手は以前、長時間の死闘を繰り広げたスペインのカレーニスブタ選手よ。今回も勝利して欲しいわ。」
母 「顔はイケメンだけど、カレーニスブタってオリエンタルな名前で親しみが湧くわね。インドや中国の料理が好きな一族出身かしら。」
伊々代 「名前からして体力がありそうね。今日もタフな試合になりそう。ねえ、サーブのスピード表示板の下の方に書かれているTMGMって何かしら。」
母 「大会のスポンサーだと思うよ。おそらく略称よ。北川景子の旦那のDAIGOが略語に造詣が深いから、彼の意見を聞けたらいいのにね。」
伊々代 「オーストラリアでは日本食が人気だそうね。ひょっとすると日本から進出した企業じゃないかしら。錦織選手が出場するので急遽、大会のスポンサーに加わったのかもしれないわ。そうだとすれば、卵かけごはんメーカーじゃないかしら。」
母 「でもオーストラリアの人が生で卵を食べるかしら?」
伊々代 「母さん、そこがポイントなのよ。普通の人が思いつかない発想でしょう、卵かけご飯を海外で販売しようなんて。たくさんある日本食の中で差別化が図れると思うの!それにTMGMというロゴがおしゃれじゃない。今度、オーストラリアに行ったら現地のレストランで頼んでみたいわ。」
母 「イケメンのボーイさんにPlease have a cup of TMGM!って注文するのね。いいかもね。」
錦織選手は残念ながら、この日は初戦敗退となりました。
伊々代 「母さん、錦織選手を応援する意味で久しぶりにTMGMが食べたいわ。」
母 「そうだね。ちょうど卵が切れているからデパ地下に行って新鮮な高級卵を買ってきましょう!烏骨鶏のTMGMがいいかもね。」
-受託収賄の容疑で逮捕された人のことをテレビで知った母と娘-
伊々代 「台所にいるときに東京オリンピック組織委員会の元理事が紳士服大手企業側から多額のお金をもらって自宅で収賄容疑で逮捕されたってリビングのテレビのニュースが言っていたわ。きっと、抜かりないさつは容疑者が自宅にいる時間帯を事前に調べておいたのね。」
母「もし、うちのお父さんが自宅で逮捕されたらと考えると少し気の毒ね。父親としての威厳、丸つぶれね。」
伊々代 「もし、家でお父さんが逮捕されたら、私、どんな顔をしたらいいのかしら。きっと、お父さんはそんな姿を子供に見られたくないでしょうしね。」
母「さつも温情で家族のいないところで逮捕してあげればよかったのにね。でも、うちのお父さんは他所様から大金をもらう度胸なんかないからその点は安心だわ。」
伊々代 「容疑者も逮捕するときは事務所でお願いしますとさつにお願いしとけばよかったのよ。」
母「でもね、家族思いの人だったら、逮捕されるような悪いことに手を染めなかったと思うわ。」