ウチコンの新しい店がなかなか思いつかず、実は困っていた。小洞天は、40年前から知っていた。若い頃、有楽町駅近くのビルで働いていたからだ。所属する課のメンバーとよくランチに行っていたのがこの「小洞天」と牡蠣が美味しい「レバンテ」(現在は、東京国際フォーラムの2Fに移転)だ。不思議なのは、40年前と現在で店の雰囲気がまったく変わっていないことだ。お昼には、近くのサラリーマンやOLで一杯になるのは、昔も今も変わらない。名物の「シュウマイ」の味も変わらない。年配の従業員は昔からいたような気がする。
ウチコンの条件はほとんどクリアしている。だが、一つだけ気がかりな点があった。くつろげるお店だろうかという点だ。ランチタイムは、常連客でごった返し、お世辞にもゆっくり食べている余裕はない。次から次へと入って来る客に席を譲ってあげなければマナーを知らない非国民と思われても仕方がない。決して、従業員の対応が悪いわけではないが、食べると直ぐお皿が片づけられてしまい、とても長居するわけにはいかない。
しかし、ランチタイムを外せばそれも問題ない。そう思ってウチコン3として取り上げることにした。私は、ウチコンに入れる店は、味とサービスが持続的なものであることが最も重要だと考えている。と言うのは、最初はいい店だと思って通っていても味やサービスのレベルが落ちてしまう店が多いように思う。また、その店のメイン料理以外は、評価できないレベルの場合もウチコンには入れたくないと考えている。どれを食べても美味しく、品質が安定していることが条件だ。だから、永く通っているお店(頻度ではなく、年数)が条件になる。
また、値段も庶民には高すぎる高級店も除外している。手頃な値段で品質が安定しているお店、もしくは値段は高めだが、たまのご馳走を家族や仲間で楽しめる程度の価格設定のお店をウチコンに入れている。いわゆる街の美味しいお店だ。
シュウマイは本当に美味しい!
ちょっと話が逸れたが、小洞天はそんなお店だ。店は古いが、味は変わらぬ味を保っている。一番のおすすめは、なんと言ってもシュウマイだ。ほとんど豚肉の塊といった感じだ。シュウマイを噛むと肉の甘みが伝わって来る、ここでしか食べられない味だ。初めて食べる人でも、直ぐに普通の「焼売」との違いが分かるはずだ。ただ、注意しなければならないのは、運ばれてきたら冷める前に素早く食べる必要がある。長話をしている間にシュウマイが冷めてしまうと箸で割ることすら難しくなる程、固くなってしまう。まさに肉塊と化してしまう。
シュウマイ以外にも担々麺が美味しく、ランチのシュウマイがセットになった「担々麺セット」は人気がある。私は、無性に小洞天のシュウマイが食べたくなることがある。そういう時は、迷わず「シュウマイご飯 」を注文する。
店内には、多人数掛けの丸テーブルがあり、ランチの混雑時は、お一人様は大きなテーブルで相席覚悟だ。しかし、ランチの時間帯は、雑踏にでもいるような錯覚になり、大勢で食べる楽しさが味わえる。活気があることはいいものだと思ってしまう。