「ウチコン」の条件
「ウチコン」の条件は、ウチコンが家へおいでを意味していると考えるとそこに考えるヒントがあるように思う。恋人ができて家に連れてくるということは、家族に紹介したいし、家族もきっと喜んでくれると考えるときではないだろうか。街でふと入ったお店が、意想外においしくて、雰囲気がいいときに人は、また訪れてみたいと考えるのではないだろうか。
1回行っただけではウチコンかどうかは判断できない。最初に行って、しばらくして忘れてしまうお店は、ウチコンではない。何故か、何度か行ってしまう店がウチコン候補だろう。まず、おいしいということが第1条件だ。安いだけでは、楽しくない。ウチコンは行くことが楽しくなければいけない。ふとあの店のあれが食べたいと思う料理がある店がウチコンだ。遠くても無性に行きたくなる店、それがウチコンだ。
決して隠れ家レストランはウチコンではない。隠れ家レストランは、人には知られたくない、自分だけのお店だ。他人とは違う特別な待遇に喜びを感じるお店だろう。こういうお店は、きっと少し疲れていて一人、もしくは気心の知れた少数の人と行きたい静かな雰囲気のお店だ。
ウチコンは、違う。一人で行っても、大勢で行っても楽しいお店だ。おいしさを多くの人に伝えたいお店だ。安くておいしいお店か、高くても高さが許せるおいしいお店だ。安くてそこそこおいしいお店はたくさんある。だが、うちの街にも欲しい店ではない。
もし、近くにあれば、毎日でも行きたくなるような店がウチコンだろう。何とか我が街にも支店を出してもらえないかと真剣に考えるような店がおそらくウチコンだろう。すなわち、うちの街にもこんな店があったらと夢想するところまできたら、そのお店はウチコン・ミシュランガイドがあれば掲載されるお店だ。
そこで私が、独自にウチコンと考えるお店を少しずつご紹介したい。